失楽園おもしろかった。14才を描いた作品、学校が世界のすべてだったという感覚、でも大人もそれ同じなのかな、となる。役所広司が平泉成とばったり会う会社の廊下の奥行き感と黒木瞳が柴俊夫を送る玄関の奥行き感もどちらも学校の廊下のそれと同じである。世界は狭く苦しい。冒頭の瀧へのゆっくりなズームインとそこから繋がる駅プラットホームの主人公ふたり、喪服のような黒衣装、死に向かう儀式かのようであるが、たぶんかつて観たときは本作全体をそうした供儀として見たのではないかな、となるも、目を他に向ければ、後のシークエンスでの電車内で果物を楽しそうに食べるふたり、子供のようであり、死への憧憬をちらつかせながらも、もう大人、それゆえ家族もいるし、そうそう責任上、己の欲求のみを働かせるわけにはいかんやろいと、以前の観賞時に違和感覚えをリマインドすれど、大人も子供も変わらないと今回は思え、役所から見るような感覚的なショットの彼から離れた距離にいる星野知子、それから役所は部屋を出て行く、なるほど、主人公のふたりは浮世離れしてのゴーイングマイウェイ、の・ようなもののしんとととエリザベスと同じだな、悲劇喜劇の違いがあれど森田の登場人物たちはほとんどいつもこれなんだな、となる。彼らは狭く苦しい世界からふわふわと離脱している。
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