イニシェリン島の精霊おもしろかった。憂鬱で残酷でセリフがユーモラスな本作である。言いたいことはよく分からなかったが、余韻が残る。退屈な島で退屈ではないことが起こる。あれだけ遠ざけるとは、よっぽどのことなんだな、と思えたり、あるいは、まともに見えるコルム自体がメンタルやられてるのか、とも思えるも、あそこあの島は煉獄なんだな、と考えるとしっくりくる。爆音が遠くに聴こえる。現世を遠くなく近くもなく感じさせる場所。静寂のアートを求めるもヒトが二人以上の場所ではそれは不可能であり、諍いも同じこと。アホに見えてもアホではない。アオに見えてもアオではない。俗なヒューマンであるパードリックはヒトとしての威厳を誇示する。崇高に立ちはだかるコルム。もう立派な大人であるがゆえ通過儀礼では決してないが、コリンファレルが表す確かな変化が作品を豊かに引き締める。バリーコーガンとのコラボもよい。ランティモスのあの作品をがぜん観たくなる。ケリーコンドンとても綺麗である。本作なんとなくウェットレッグのオフビートな音楽とも結びつく。ウェットレッグも本土からちょいと離れたワイト島の出。
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