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2023年01月01日15:22

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ラブ&ピース&シューズ2


新しい靴を買わなくちゃ、向井がミポリンの靴のヒールをなおすときアロンアルファで靴と手がくっついちゃって、それでミポリンと離れられなくなる香港映画かと思っていたら、そうではなかった。ハルフウェイもそうだったけれど、新しい靴を買わなくちゃもエチュード風な感じ。向井の彼の職業であるカメラマンとしての不満のところはしっかり台本になっているのだろうけれど、あとはだいたいのホンがあっての即興めいたものではないかな。それゆえ、登場人物/アクター同士の距離感が作品には表されている。桐谷と綾野のパートは、恋人同士だからそれでいいのかな、できるのかな、と思ったけれど、桐谷は彼との間の不安もあって異国にきているのであり、そのディスタンスはやがて納得となる。向井とミポリンははじめて会った者同士だから、距離の縮まり方はそのプロセスいい感じで、エチュード式のがより容易に活かされる。手探り感がある。リンクレイターからヒントを得たのかな?カメラもふたりぐらいで同時に撮っているのかな。例えば、スマホで喋るふたりのシーンなど、セリフやアクトを逸脱した日常的間(ま)が出てくる。家の外と中でもそれぞれカメラがあって、ドアを開けるときの所作が活かされている感覚がある。この日常切り取り的な感覚は岩井イロだ。登場人物を体現化しているアクターたちの戸惑いもが距離感のなかで表されている。そこがいい。だから、しっかりホンではセリフになっているだろうカメラマンの不満のところはアクターとしてのプロらしさがある。向井はそっちの方が楽であったろう。でもドキュメンタリー的緊張感が本作の魅力である。おさむくんもミポリンもまじめな性格なのかな、なにかフィットしている。最初の方はミポリン、悪く言えば、久しぶりに男体みた、って感じの中年女性像、よく言えば、旅情のキャサリンヘップバーンな感じで、おいおい向井、とっつかまるなよ、と思ってしまったけれど、東京タワー元気かな?戻りたいなー、というミポリン、それから写真は撮らないで、というところとか、かわいらしさと日常がドッキングして、それから安心をして見られるものとなる。それでもいい按配に、ミポリンのWAKU WAKUさせてよ. DOKI DOKIさせてよは伝わる。カメラアイは岩井タッチだけれど、映画はやはり監督のもの、ラヴストーリーの女王北川悦吏子の本領は発揮されている。岩井は彼のテクストで男子に彼が好きな女の子にわざとイジワルさせるけど、大人の北川はそんなことさせない。いい大人の私であるが、こんな距離の縮め方、ほんとにふたり大人だな、と感心する。ラストは日本的な曖昧なフワフワした感じだけれど、たぶん女性のオーディエンスの方が、あの感覚はつかめやすいのではないかな、となる。

ps
この岩井俊二がプロデュースの作品もふくめて彼のテクスト、80年代の相米や森田や大林のイノセンスであるのと違って、そうではいられないよな、だけれどイノセンスってなんだろう?って違うアングルから捉えようとしている感じがするな。






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