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2022年12月08日13:02

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インヒアレント・ヴァイス


インヒアレント・ヴァイスおもしろかった。イージーライダーやわてらには明日はないなどニューハリウッドが起こってからアメリカ映画において、誠実さがとても大切とストレートにメッセする映画がないであろう、スピルバーグをのぞいては。とはいえ、けっきょくはそうしたことを伝えることがアメリカ映画らしさなので、言うのは言うのだけれど、反語的にとか、アイロニカルな構造として表される。ワイラーやジョージスティーヴンスの時代においては、誠実さが大事であることはストレートに伝えられ、それがアメリカン的なものであった。そんなレトロな感性をPTAはいつも表している。スピルバーグみたいな童心ではないけれど、誠実さが大切であること、いつもストレートに表してくる。と前回にこの作品を観たとき思えたのである。今回三回目にして、この作品をもっと理解できたように思える。タイトルが示す先天的な悪、それはなんだろうか。テレビに演説をしているニクソンが映される。それもワルであろう。彼が起こした数々のことでアメリカンは自信を喪失した。ヒッピーが反対するベトナム戦争もそうである。ラヴ&ピースはPTAが表したい誠実に関係するものである。コーイはアメリカはヤク中の母親だと言う。そうした親的存在であるアメリカは、神的存在として象徴を機能させる。シャスタはミッキーの荒々しい行為の前では無(気力)になると言う。そうしたミッキーは精神病院内、アメリカの前で無気力になっている。ドックはシャスタにミッキーと同様の荒々しい行為をする。アメリカになり下がる。しかし、そこに彼は愛を見つけることができるのでもある。先天的悪は、ガラスが割れることを避けられないように、愛には常に喪失が含まれることを表している。喪失した愛のなかドックは漂っている。リンクレイターのような夢と現の時間旅行ではないが、最初からか、それともいつの頃からか、デイドリーミングのような白日夢感覚がPTAにつきまとうように有る。夢に出てくるように現れるシャスタの冒頭、占い師のソルティレージュのナレーションが幻想的に絡みつく。ソフトなハイライトで、スモーク感覚を所々表している。ナイトメアなものがアメリカにあるのだけれど、もうヒッピー感覚に漂いな気持よさのセンスが作品をおおいつくす。ドックは喪失した愛を取り戻すため交渉する。コーイは家族を引き裂くアメリカからホームに帰還することができる。されど、喪失した愛が回復されることはかの神的存在、アメリカにはない。ラスト・ショットの男女には元通りに戻れないアメリカが漂うのである。



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