リコリス・ピザおもしろかった。タイトルから察し、レコードが音楽鳴らす頃の時代の雰囲気、それが生みだすロマンが主役なのだろう。大人と出会う機会が多いからなのだろう、大人びた15歳の少年と、まだ成長過程中の25歳の女性のロマンス。エンドクレディット見て分かったのだけれど、この女性主人公の姉ふたりもハイム姉妹だったんだな、観てるあいだはそうは見えなかった。でもって、その女性主人公であるアラナ、まだ25才だから考えてみれば、まだ飛んだり跳ねたりをしちゃう年齢でもあり、だから飛んだり跳ねちゃリしちゃう。大人びた男の子も、年齢的に当然に性的なものにはヒュージに期待が過剰大なのも、少年らしさ表している。前半は、なにか懐かしい感じの、小さな恋のメロディやリトルロマンスみたいなロマンス。恋愛ロマンスはずっとつくられつづけられるけれど、少年少女たちの目線のピュア世界ロマンスはそうそうないのではないかな、と、この作品を観ながら思い、その世界にスッと入り込む。ある意味大人の世界から乖離された子供たちだけの世界のファンタジーがそこに表される。でもって中盤後半、男女の恋の物語ゆえ様々に葛藤が表されるし、ふたりが互いを求め走るところ(日本のMV観ながらやたら走るシーンが多いなと思い、監督たちはトリュフォーのファンなのかな、と思うも、PTAもやはりそうなのかな、となる)、警察につかまり連行されるのを一生懸命に追いかけ走るアラナ、そしてバイクから落ちたアラナを心配し走る少年が、それぞれその男女の走るシーンにインサートされるが、あれが潜在的に在る愛の表れか、とは思わず、誰だって心配になってはほっとかず走るのでは、と思うが、あれが愛の顕れなのだろう。PTAの主人公のいつものペルソナはアラナに表され、ブギーナイツのウォールバーグやマスターやインヒアレントヴァイスのフェニックスと同じように、愛があるのかないのか分からない世界で彷徨い歩く。名前を覚えてくれない映画スターや期待して行くもあまり見慣れないであろうゲイカップルと出会ってしまったり、少年は少年でパーリーで他の女の子とどっかに行き彼女は覗き見しちゃうし、愛があるのかないのか分からない世界を彷徨い歩く。でもアメリカ映画らしくカラっとしていて、後まで引きずるもドロっとすることなく、いろんなエピソードで冒険譚を見せてくれるかのようで、愉しさ表してくれる。PTA的に深淵や雄大さ表すような引きの絵が少なく、なんならネットフリックスなテレビのモニターでもいいのではという画面構成だけれど、でも小ぶりな感じが似合う淡い愛のロマンスでありそれにフィットしてる。
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