闇の子供たち、おもしろかった。江口洋介の意外な過去、それ知ったら奥さん雨を歌って大粒の涙を洪水することだろう。臓器売買も惨たらしいが、児童売春はフィクショナルな表現であれかなり圧を加えられ心がディープブルーになる。二つの出来事は接点があるけど捜索者それぞれのイデオロギーと仕事のあり方ゆえ別々の捜査となるも、ふたりの少女の繰り返される名前によって、エモーションは結びつけられる。最後に発砲する青年の在り方がよく分からなかったけれど、ここんとこ阪本作品いくつか観てから「絆」という形がないゆえ不確かなものの在り方がどのシークエンスにも、その文字が浮かびあがってしょうがない。タクシーを降りて部屋に戻る江口を追うショット、妻夫木が出てくるのは分かってるんだけれど、あんなに執拗に追うのはやはり絆であるし、汚れてる?と聴く少女とのキスのやりとりも絆であるし、それらは売春という負の絆、いや、絆でもなんでもないものとの対比としてもあろう。ラストに鏡に映る日本人の顔は売春目的でやってくる、そうした日本人の表象的意味合いあるだろうし、冬薔薇のラストの振り向く主人公の、無目的で無関心で手っ取り早くチャンスを掴みたく、そして絆に飢えている日本人の顔と同じような、日本人に向けているメッセなのだろうな。
ps
阪本は個人化が加速している社会での日本人の絆の在り方に関心があるのかな。絆でいえば、闇の子供たちが最もフォーカスしているのは、子を持つ親、というところだろうか。これが冬薔薇での小林と伊藤との親子関係に持ち越される、ということではなく、引き出しのひとつなんだろうけれど、そこにいつも関心はあるのだろうな。親をもっと言えば、子供を放棄する親像かな。
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