先月は浜松市北区細江町出身の日本画家 野島青茲(1915-71)の大作《春鶯囀》(1969)から出発して、日韓宮廷文化について少しばかり書いた。
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《春鶯囀》は浜松市立細江町図書館に常設されているが、その他8点を同町「姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館」で展示していたので、6/1(水)に観にいってきた。
・会期 4/29〜6/5
以下、日にちは忘れてしまったが、5月の中日新聞記事。
展示のメインは《ぼたん》(1970/紙本着色)。サイズは不祥だが、記事の写真で凡その感覚は掴めるだろう。
狭い展示室であるため、ライトの写り込みは致し方ない。
死の前年、55歳の作。とは言っても、亡くなったのは翌年1月であるから、野島にもう時間は殆ど残されていない。
紙に描いているのたが、絹のような質感がある。
タイトルのぼたんの花は、絵の最下部にその部分が淡い色で描き込まれている。
面白いのは着物に線描された蝶の模様である。
裾辺りの大きな蝶は口吻を長く延ばしてぼたんの蜜を吸っているように見える。
一種のトリックであるが、野島が意識して描いたものか、私の妄想か、それは分からない。
蝶のモチーフは帯留めと簪にも使われて、画面上でエコーし合っている。
次は10年前の《菖蒲》(1960/紙本着色)。
太く黒い輪郭線は日本画ではあまり見られないもの。
花弁は何色も色を重ね、最後に尖ったもので削って下の色を微妙に見せている。油彩画的な手法である。日本画に様々な革新を模索していたのだろう。
再び最晩年55歳の《赤絵菓子器》(1970/紙本着色)。
赤色の模様の深皿に、実のたっぷりしたナスとアカトウガラシ。
立体化と単純化が絵の強さに結びついていて心地好い。
心不全による急死だったので、野島はまだまだ描くつもりでいたのではなかろうか。
「姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館」には名にもある通り、多数の銅鐸の展示もある。
浜名湖周辺では26個の銅鐸が発見されていて、2種類に大別できる。即ち、「近畿式」と「三遠式」である。
「三遠式銅鐸」は愛知県東部の三河と静岡県西部の遠江で多く出土されるタイプで、半円形の頭の部分に耳飾りがない。
下は細江町中川悪ヶ谷(あくがや)で発見された三遠式銅鐸。(但し複製品。本物は東京国立博物館蔵。)
弥生時代後期に造られたブロンズ(銅と錫の合金)製で、胴体の表面に6つの区画があるのが特徴。その最下部には可愛いシカ型の紋様がある。シカは神聖な動物だった。
(続く)
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