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2022年05月11日19:20

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野島青茲画《春鶯囀》から見る日韓宮廷文化��

標題は2021年11/13に浜松市細江図書館で行われた企画だが、現在、YouTubeで見る事ができるようになっている。
 https://youtu.be/qzZqCE6bCtY
当初は2020年3月に開催の計画だったが、新型コロナの影響で延期が重なり翌年11月になった。

・動画配信期間 2021年12/15〜2023年3/31

引佐郡細江町(現浜松市北区細江町)出身の日本画家 野島青茲(1915-71)に《春鶯囀(しゅんおうてん)》(1969)という大作あるのだが、私がしばしば訪れる同町図書館にその原本が展示されている。
2016年に市内の平野美術館で生誕100年記念展が行われたが、そのレポートに同作の画像を貼り付けたので、彼の経歴含め、興味のある方は以下をご覧頂けたらありがたい。
 参)https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1952592382&owner_id=3341406

昨2021年は野島没後50年で、この企画は彼が生まれた地元として行った記念行事の一つだったようだ。
雅楽に《春鶯囀(しゅんのうでん)》という、読み方は若干違うものの字は全く同じ曲がある。
野島の同名作品を観ながら雅楽の演奏と解説を聴くという企画内容である。

・演奏と解説 雅楽二重奏「菊理(くくり)」の男女2人(*)

《春鶯囀》という曲は、春うららかな陽射しのなかでさえずる鶯の声を模して古代中国唐の第2代皇帝太宗または第3代高宗が作ったと言われている。それが恐らく朝鮮経由で日本に伝わり雅楽として今日に伝えられている。
清少納言(966頃-1025頃)の『枕草子』に「鶯のさへづりという調べ」と、この曲についての記述がある。

紫式部(970~978-1019頃)はこの曲ではないが、『源氏物語』で雅楽について書いている、紫の上の弾く和琴(わごん)は華やかな音色で美しい、と。他に、光源氏、頭中条、柏木等も和琴を見事に弾く。
また、明石の君は楽琵琶の名手とある。楽琵琶は薩摩琵琶や平家琵琶より歴史が古く大きい。8kg程もあって重たいので女性にはかなり大変かもしれない。

《春鶯囀》は〈遊声(ゆうせい)〉〈序〉〈颯踏(さっとう)〉〈入破(じゅは)〉〈鳥声(てっしょう)〉〈急声(きっしょう)〉という6章でなる大作である。
今回は第4章〈入破〉のみ、平安装束「十二単(袿長袴/うちぎながのはかま)」と「小直衣指貫(このうしのさしぎぬ)」を着た「菊理」の2人が、龍笛(横笛)と笙とで演奏した。
フォト


日本では雅楽は宮内庁楽部のメンバーが演奏し踊る。この曲の場合6人〜4人。
奈良時代には女性もいたとの記録があるが、明治(?)以降、宮内庁楽部メンバーは全員男性となった。
一方朝鮮では、この曲は宮廷の官妓(宮廷にかかえられた芸妓)が1人で舞うものとして伝えられている。
野島が描いたのは、観て分かる通り後者である。

そのあと同じ楽器の組合せで、おめでたい席でよく奏される有名な《越天楽(えてんらく)》の演奏。
この曲は作られた年代も作者も不詳だが、平安初期には宮中儀式で盛んに演奏されたようである。

そして、次に笙の二重奏。
旋律楽器ではないので、笙だけの二重奏は珍しい。
笙という楽器は吹く時だけでなく吸った時も音が出るので、切れ目なく音を出し続ける事ができる。
笙の音は「天から降り注ぐ光」と称される。

最後は《今様舞》。
今回は、平安時代後期の僧 慈鎮作歌の《越天楽今様》を伴奏にし、十二単の女性が檜扇を持って舞う。「今様」は平安時代後期に流行した歌謡。
「春の弥生のあけぼのに…」という歌詞は、多くの方がご存知に違いない。
《越天楽今様》は現在残っている中では最も古い日本の歌とされている。
始めと終わりは男性の龍笛伴奏、その間は笛を置き、2枚の板状の拍子木でゆっくりしたリズムを打ちながら歌う。
女性は手足を隠し見せないようにして踊る。
野島の《春鶯囀》でも分かるが、手足を見せないようにして踊るのは朝鮮の宮廷舞踊も同じ。両国の文化にはやはり似通うところが多々ある。
 

(*)「菊理」のプロフィール
2014年に結成した日本で唯一の夫婦2人による雅楽ユニット。
・近藤泰史;雅楽歴45年。笙,篳篥(ひちりき/縦笛),龍笛,鞨鼓,和琴と打楽器類を奏する。
・近藤智佳子;雅楽歴17年。笙,龍笛を奏し巫女舞を踊る。

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