ヘイトフル・エイトおもしろかった。キューブリックのあのノワールと時代は違って、イーライロスやジェームズワンのこの時代的な、例えばラストの首吊りダンスなど、ヴァイオレンスを官能にしてしまうコンテンポラリーな室内ノワールである。サスペンションするサスペンスをもたせる運び、タランティーノらしい。そして、レズボアと同じように、悪人だらけのなか裏切り者は誰だというノワールの常套手段、というより、正直者は誰だはタランティーノらしさである。レズボアでのカイテル、ほんとにプロかと疑ってしまうほどの思いやりなお人好しに思えたけれど、あれもまた人間味のヒューマニズムなのであろう、そしてそれは本作ではジョンルースであり、お人好しに嘘を信じ、そしてヒトを助けてやる彼は悪人の中で一番の正直者。残った男たちは彼の願いを叶えてやる。嘘のパルプを読みながら、敵対していた者同士、微かな友情が芽生えるラストはタランティーノらしい。レズボアの特典でティムロスがマイケルマドセンのアクトはいつもそれまで気取っていて彼を好きではなかったけれど、撮影中に友情が芽生えたと言っていたけど、それもまたタランティーノの現場らしいハプニングな出来事。そんなレズボア卒業生のふたりが本作品でまたもや共演、これも微笑ましい。
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