まずは、覚え書き、キスキスバンバン
◎ゲット・ショーティ(95)
☆ファムファタールはB級映画のスクリームクイーン、カレン・フロレス。
☆高利貸しから巻き上げたクリーニングマネーや麻薬のドローイングマネーなどダーティーマネーを使ってダーティーなムーヴィーをつくる。
☆映画製作というアメリカンドリームを追う男たち。
☆ブレまくるまわりと違って、トラボルタのチリパーマーはピュアに真っすぐに映画愛に邁進する。ミューズやシネマトグラフで覗かれる運命は彼に味方する。
☆グリードとフェイクが渦巻く街ロスアンジェルス。このなんでもありな街はなんでもありのハリウッドと交錯する。
◎L.A.コンフィデンシャル(97)
☆ファムファタールはキムベイシンガー。力を得たい男たちを温かく吸収する高級娼婦。男を癒す存在。ヴェロニカレイクに似ている女性。
☆アメリカン・ドリームを求める男たち。
☆麻薬の利権を得ようとした元部下たちへの報復と麻薬を奪うこと。
☆生きるためにスマートになれということを教えるワル上司。
☆ラッセルクロウは悪になりかける。
☆クライマックスの銃撃戦で、影の軍団のように襲いかかる敵たち。上司に育てられた悪徳警官たち。
☆L.A.に蔓延る悪徳。
☆夢であることをやめクロウと田舎に戻るベイシンガー、そしてL.A.に残るガイピアース。冒頭にピアースが前の世代から彼は変わると言っていたように、正義を変えることができるのだろうか。
☆テネシーウィリアムズな感覚がよかった。ジェリーゴールドスミスはたぶんカーティスハンソンから、50年代のクライムTVドラマのテーマ曲のような曲をと指示されたのではなかろうか。
◎アウト・オブ・サイト(98)
☆ファムファタールはジェニファーロペス。無鉄砲なお嬢さん。ダイヤの原石。
☆クライム:アメリカンドリームを掴んでいる悪徳権威者からダイヤの原石を盗む計画。
☆タイトルは視界外に志向されるという意味か?気付かずにいた視界の外に誘惑されるセンスが表される。
☆名怪盗と名探偵の話。というより
☆女性ということで男性社会のなかで蔑まれるロペス。
☆権威者から見下されるクルーニー。→ 冒頭のネクタイを捨てるストップモーション。
☆ふたりが掴むアメリカンドリーム、それは互いを認め合う愛。ファムファタールは本当に運命の女性となる。
という感じであるが、どの作品も利権争いの闘争的な趣きである。そうであることにより、どの作品も群像劇ゆえ人々の交差があるのであり、スリルと興奮が生み出される。アメリカンドリームとはまず金であり、名誉であり、所有欲である。意識的ではないにしても、ファムファタールは所有を求める男たちを上手くころがしてみせる。夢、或いは虚構と現実が都市で交錯する。リンチとタランティーノは、これは映画ですよ、と言わないまでも、これはイマージュであるということ自覚的に表すけれど、そこまでは自律性を主張しないにしても、『ゲット・ショーティ』は本当にあったダーティーな話をいまから製作する映画作品になぞり、『L.A.コンフィデンシャル』はムービーの煌びやかさとフェイクなスター女優の重なり合いによって(虚構の露呈というよりは)アメリカンドリームを現前させ、『アウト・オブ・サイト』はソダ―バーグのいつもの虚構的描き方をもって利権闘争等アメリカンドリームを表すことにより、イメージとコイグジストする我々を映し出してくる。そうした世界に私たちはいる。不在の現前、それは制御しがたい欲望の賜物であり、不滅の生はそこに残存される。
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