偽りなき者とてもおもしろかった。テーマとして集団ヒステリーに対するものもフォーカスされるも、やはりこの作品で取り上げられるのは、幻視であろう。少女が言うこと、彼女が終盤で視るアウトオブフォーカスの父、そしてラストの木に放たれる銃弾と主人公を狙う者、それらはこの作品の心理を突いている。主人公の親友がお前が嘘をつくときはすぐに分かるとする主人公の傾向、そしてそれが伏線となる彼が親友の家を訪れ話してるときの親友が訝しげる彼のしぐさ、そして教会の見つめ合うふたり、これらも幻視のテーマにふくまれるかもしれない。子供たちが言う地下室はまるでシャマラン映画のように謎のままで不思議であるが、集団ヒステリーにおいては、アンフェアに偏るのもトラジコメディの如くに少し笑いに繋がるかのようなおかしさある。しかしながら、ヒトの心の傾きやすさはシンプルにこういうものなのかもしれない。なにか他の北欧映画で集団ヒステリーが扱われていたものあったと思うが、こうした傾向にあるのかな、お国柄として。憂鬱なアトモスフィアを秘めるが、同じデンマークのウィンディングレフンのようにいじわるに残酷ではない。ヒトの心の暖かさにも触れることができる。すかす描き方をすれどやはりハリウッド、というか大衆映画の型にはまっているパフュームよりも、観ながら発見が進んでいくので、やはりおもしろい。ティクヴァにおいても彼のドイツ時代の作品を観た方がいいかな、と思えてくる。もともと観たかったのはセレブレーションであるが、ヴィンターベアの他の作品いくつかも観たくなる。
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