mixiユーザー(id:2566286)

2021年03月19日12:19

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ザ・ドライバーとデリンジャー

ザ・ドライバーとデリンジャーおもしろかった。ウォルターヒルとジョンミリアスは男臭い映画のイメージであるが、ヒルはマッチョでも幾分かフェミニンな色気も混じる感じがして、ミリアスはジョンヒューストンやサミュエルフラーからの系列で、でももっとブルーカラーしている感じがする。ザ・ドライバー、ベイビードライバーやドライヴに影響を与えたと言われるが、この作品を久しぶりに観ると、ピエールメルヴィルからの影響をヒルは受けてるな、となる。特にサムライである。顔を見られたアランドロンの向こうを張ってアメリカのハンサム、オニールのノワール。アメリカのフィルムノワールのハードボイルド色ではない、フランスのノワールな香しさ。市民ケーン的な切った映像を組み合わせたパンフォーカスも手伝ってローズの香りがする。香りはアジャーニのフランスの暗い色彩を際立たせる。この時代のカーチェイスは現在のそれとはやはり違い、でもエンジン音と引いた画面、車内からの視点ショット的なフロントグラスから見える光景により空間の感覚を現在のものよりもより感じさせてくれる。デリンジャー、ウォーレンオーツって断絶のジェームズテイラーやビーチボーイといい、この作品のママスアンドパパスのフィリップスといいミュージシャンとよく共演するな。ヒッピーが時代のヒーローだった時代なのだろう、この時代。そしてデインジャーなデリンジャーはギャングがヒーローだった大恐慌時代の30年代前半が描かれる。ジェームズキャグニーやエドワードGロビンソンが悪党を演じて子供たちが彼らに憧れた時代である(後に政府もこうした時代に警告を発しハリウッドも考え改めた30年代後半ぐらいには、かつてギャングヒーロー演じたキャグニーなんかは悪党をやっつけるGメンを演じ国民思考変革を担ってしまっている)。いわゆるピカレスクロマンであるが、保守派のミリアスも大恐慌時代の国民と同じ怒りが当時のアメリカにあったんじゃないのかな(こうした怒りはトランプを推した現在の保守系国民にもあると思える)。初盤の女性を誘拐的誘惑するところ、未見だけれどミリアスの風とライオンにも似ているな、となる。エスタブリッシュメントに対するアンチテーゼ、法ヴァーサス無法者。ただシンプルに権威をからかおうというものではないだろうし、ミリアスのアンチするエスタブリッシュメントたるものは何なのか気になる。ザ・ドライバーは刑事コロンボにあるような映像への音の付け方で、さすがに古さを感じたけれど、デリンジャーの音のリリシズムは懐かしさを伴わせると同時に哀しさ表し、とてもよかった。風とライオンにしてもこの作品にしても、過去や異国という場所で、現在は失われてしまった”アメリカ”を表そうとしているのかな、と思ったりもする。


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