『シャネル アンド ストラヴィンスキー』
これも調和な作品だな。まずタイトルのふたりの名前が円を描いているように調和され、芸術を築くためのふたりの協働関係への暗示が表される。モダンで大胆なものを求めるシャネルはストラヴィンスキーの芸術に求心される。男と女ゆえの関係性も表されるが、そのエロスさえ芸術に吸収されるものとしてある。クーネンはやはりヴィジュアルなヒトなんだな。内面より表面での、そこに在るものを表出する。観ながら、ケンラッセルの肉体の悪魔やヴィスコンティの地獄に堕ちた勇者どもを観たくなってくるエロスも感じさせるが、ラッセルやヴィスコンティほどには、筋的にも内容的にも奥深くもなく荘厳でもない。されど、石像を表してゆくようなヴィジュアル・アプローチの均質性は揺るぎないバランスを保つ。ヴィジュアルに対する揺るぎないヴィジョンを感じさせる。
ログインしてコメントを確認・投稿する