GHCヘビー級王者、KENTAにカリスマ性が出てきて、13年後半には事態が好転しつつあったプロレスリング・ノアですが14年には再び迷走、再び窮地に追い込まれます。
年明け第1戦となる1月5日、後楽園ホールで、KENTAが戦列復帰後3か月しか経っていない森嶋猛に19分1秒、バックドロップからの片エビ固めで敗れ王座転落。森嶋はヒールターンし、KENTAを裏切ったマイバッハ谷口、みちのくプロレスから移籍して来た拳王、大原はじめらと「超危暴軍」を結成。
1月25日、大阪ボディメーカーコロシアム(府立体育会館)第二競技場で森嶋&谷口組はマイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト組のTMDKの保持するGHCタッグ王座に挑戦、18分10秒、森嶋がバックドロップからの片エビ固めでヘイストを破り、ベルト移動、森嶋は僅か20日間でGHC二冠王になりました。
しかし、関東地方が大雪に見舞われた2月8日、後楽園ホールで新日本プロレスから乗り込んで来た永田裕志が19分1秒、バックドロップ・ホールドで森嶋を降して、森嶋は初防衛に失敗、ノアの至宝は新日本プロレスの手に渡りました。
2月15日、ノアのフロントで、三沢光晴社長時代はリングアナ兼統括部長として事実上団体を仕切っていた仲田龍が、パーキングエリアで車中で遺体で発見されるという非業の死を遂げました。享年51歳。
ノアは宝島社発行「別冊宝島」で反社会的勢力との交際、女性詐欺師による巨額の詐取被害などのネガティブキャンペーンを張られていました。三沢の死後は田上明社長の要請でGMに就任していた仲田ですが事件発覚により、同じく槍玉に上がっていた永源遙と共に平社員に降格していました。死因は心臓発作でしたが、その死の状況から自殺、反社会的勢力による他殺説も飛び交い、ノアに再び暗い影を落とすことになります。
4月にKENTAのWWE移籍の話が浮上、5月17日、後楽園ホールがKENTAのノアラストマッチとなり、長らく敵対関係にあった丸藤正道との「丸KENタッグ」が限定復活、杉浦貴&中嶋勝彦組と対戦、28分31秒、KENTAがgo2Sleepからの片エビ固めで中嶋を破り有終の美を飾りました。KENTAは「イタミ・ビデオ」のリングネームでWWEのNXTで試合をすることになります。
話は前後しますが、中嶋が所属していた佐々木健介の「ダイヤモンド・リング」(主宰法人健介オフィス)は2月11日、後楽園ホールの主催興行で中嶋に敗れた健介が電撃的に引退を発表、団体は解散となり、中嶋、北宮光洋はノアへ移籍、宮原健斗は全日本プロレスに移籍となりました。
7月5日、有明コロシアムで丸藤が永田の持つGHCヘビー級王座に挑戦、永田は森嶋を破って王座を獲得した後、KENTA、杉浦、谷口、モハメドヨネと4度の王座防衛に成功。46歳ながら抜群の練習量を誇っており、自分より年下の挑戦者を体力的に圧倒していました。ノア最後の砦、丸藤は永田の怪物ぶりに苦戦しましたが、25分29秒、師匠三沢譲りの変型エメラルド・フロウジョンからの片エビ固めで外敵永田を破り、GHCヘビー級王座を奪回、ベルトをノアに戻しました。
ノア14年の横浜文化体育館大会は1回のみの開催となり、10月12日、「GREAT VOYAGE14 in Yokohama」(テレビ収録、観衆3,500人満員発表)として、GHC4大選手権が行われています。
メインイベントは丸藤の持つGHCヘビー級王座に大日本プロレス、ストロングBJのエース、関本大介が挑戦、桁外れの関本のパワーに苦しめられた丸藤でしたが21分45秒、虎王(顎をめがけての変則膝蹴り)からの片エビ固めでどうにか3カウントを奪い丸藤がベルトを死守しました。
セミファイナルはGHCタッグ選手権試合、王者チームはこの年のグローバル・タッグリーグ戦に優勝、5月31日、ディファ有明で森嶋&谷口組を破って王座に就いた杉浦&田中将斗(ZERO1)組の「弾丸ヤンキース」。挑戦者チームは元王者チーム、マイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト組のTMDK。18分35秒、杉浦がオリンピック予選スラムからのエビ固めでマイキーを降して弾丸ヤンキースが王座防衛。
GHCジュニア・ヘビー級選手権試合、王者は3月8日、有明コロシアムで石森太二を破って王座獲得した原田大輔、挑戦者はメキシコのベテラン、スペル・クレイジー。15分43秒、原田が片山ジャーマン・スープレックスホールドで勝ちこちらも王座防衛。
GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合、王者チーム、石森&小峠篤司組に超危暴軍、拳王&大原はじめ組が挑戦、ノア参戦以来、ベルトに恵まれていなかった大原ですが、闘龍門、ハッスル時代はウルティモ・ドラゴンを破りNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級のベルトを巻いたこともある実力者、15分43秒、変形ムイ・ビエン(ジャベの一種、変形背骨折り)で小峠からギブアップを奪い、ベルト移動、拳王&大原組が新王者チームとなりました。
ノアと新日本プロレスの対抗戦が2試合、BRAVEvs新日本、ヨネ&中嶋組と永田&中西組は13分46秒、永田がバックドロップ・ホールドでヨネをからフォール勝ち。超危暴軍vs新日本、森嶋&谷口組vs天山広吉&小島聡組は11分50秒、谷口が刺股を持ち出して超危暴軍の反則負け。新日本本隊興行では試合数が少なくなった第三世代がノアでは大活躍しています。
所属から一度、契約解除されてフリーとなるも、ノアを主戦場に闘い続けていた齋藤彰俊はこの年、丸藤副社長からのオファーでノアと再契約、6年ぶりに所属となっていましたが、この日は平柳玄藩と組んでK−DOJOから移籍して来たクワイエット・ストーム&ペサディーヤ組と対戦、7分50秒、腕周り60センチを誇る上腕によるラリアットからの片エビ固めでストームが平柳を撃破。
第1試合は北宮、熊野準、ザック・セイバーJrによる3WAYマッチ、4分8秒、ザックが変形羽根折り固めで熊野をギブアップさせての勝利となりました。
年末の12月6日、有明コロシアムでの年度最後のビッグマッチは2階スタンドを開放しない方式で観客席を狭く仕切りましたが5,800人発表の観客しか集められず。
この日は純血対決が売りで丸藤は杉浦を破りGHCヘビー級王座を防衛、小峠が原田との「桃の青春タッグ」対決を制してGHCジュニア・ヘビー級王座を獲得、拳王&大原組は新日本プロレスの獣神サンダー・ライガー&タイガーマスク組を降してGHCジュニア・ヘビー級王座防衛とベルトが他団体、というより新日本に流失せずに年を越すことが出来ましたが、年明けの15年早々、新たな外敵に襲撃されることになります。
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