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2020年11月12日23:54

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映画日記『鉄道員 ぽっぽや』

本日は、どっぷりと健さんだった。

2020年11月12日(木)

『鉄道員 ぽっぽや』(1999年)
監督:降旗康男
駅前・ミッドランドスクエアシネマ

説明不要の1本。
テレビで一度見てるが、じつは映画館で見るのは初めてだ。
やっぱり自宅の小さなブラウン管テレビより、スクリーンのほうがいい。
テレビで見たときもグッときたが、どうしてもストーリーを追うだけになってしまう。
大きなスクリーンで見ると、蒸気機関車の勇姿や雪降るローカル線をトコトコと走る1両ディーゼル車、終着駅の×(バッテン)印の車止めなどなど、いちおう鉄道ファンのひとりとしては、涙が出てくる。
もちろん号泣のストーリーだ。
泣けた泣けた。

どれぐらい泣けたかというと、本日は目の具合が悪く、朝から左目が目やにで白く曇っていた。
本作が始まったときも曇っていて、見辛くて困ったなあとおもっていた。
ところが映画が始まってすぐに「テネシー・ワルツ」のメロディが流れる。
テレビで見たときには「テネシー・ワルツ」が流れていたことなど、まったく気づかなかった。
「テネシー・ワルツ」は江利チエミの大ヒット曲。
江利チエミといえば、1971年に離婚した健さんの元の奥さんだ。
事情があって別れたあとも、健さんは終生江利チエミを愛していたという。
それでなければ、別れた女房の持ち歌を使うはずがない。
この時点で涙目になってしまった。
その江利チエミもまた、終生健さんを愛していた。
♪あのドアを開けてみたって、あなたはいない〜
と歌う1974年のヒット曲「酒場にて」は、健さんへのおもいでしかないだろう。

閑話休題。
画面に登場する集団就職や炭鉱離職者といった世相を同時代で知ってるので、こちらでも涙目だ。
志村けんに田中好子と、いまとなっては思い出深い人びとが登場するたびに、センチな気分になる。
そして、無骨な健さんの奥さんに扮した大竹しのぶだ。
健さんと大竹しのぶのふたり芝居がすばらしい。
ぽっぽや一途の健さんを、恨みのこもった目でねめつけたり、それでもやっぱりこの人が好きと可愛い笑顔になったりと、場面場面で大竹しのぶが演じる奥さんの心情が、ビシビシと伝わってくる。
これまで演技派女優のベストは杉村春子だとおもっていたが、大竹しのぶも負けていないぞ!!
広末涼子のニコニコ顔もせつなかった。
ということで、映画が始まってから涙が頬を伝いっぱなし、ついでに左目の目やにを洗い流してくれた。

ベタな話なので、エッジの効いた傑作とはいえないが、忘れがたい1本だ。

このあとも健さんだった。


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