『パンズ・ラビリンス』
久しぶりに観ると面白かった。デル・トロの奥深さを知る。かつて観たときは、カルピス劇場のフランダースの犬なみに不幸の大連続、いいこと何もないこの人生、で悲惨すぎるという思い出だけだったけれど、今回は、ある試練を通して主人公は月の王女になったのだ、とポジティヴな感じでラストは受け入れる。最初観たときは、孤独の妄想的な感じもあり、またスペインの少女ということもあって、ビクトル・エリセをなぞって感じられたけど、今回は妄想ってよりも、エリセもデル・トロもマルクス・ガブリエルの一角獣と同じように、想像としての真実はこの世界にあるのであり、それはポストトゥルース的ではない、信念の賜物である真実なんだと感じ、それがデル・トロが彼のテクストで一貫して伝えようとしているものと、この作品の奥行きを知ることで感じるのであった。と同時に、”言い伝え”というものがこの作品の大事なテーマでもあるように、初めの方の猟師の親子の言葉、そして悪い言い伝えを施すフランコ政権下の軍人たち、そしてパンから主人公に伝えようとするもの、それらを通して思うところあった。
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