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2018年02月09日17:21

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あゝ、荒野


『あゝ、荒野』前篇
街の喧噪に潜む阪本順治的なオフビートな間合いと常にアップデートする闘争力、園子温的な集団心理的&社会的ビョーキ、三池崇史的な社会をゆがめる/活性化させる歪んだ人間関係性&個人の在り方をまんま継承しているかのような、なにかミレニアム映画へのオマージュかパロディのような前篇である。ユースケのアクションの身振り、キメもいいし、菅田の個性も光らせ、それは양익준も同じなのであり、木下あかりもポスト安藤サクラに(のみ)活かせ、映像も完璧を目指してるのに、登場人物たちの所作あるいはショットから沸き出る情感、ミレニアム映画へのオマージュか真似をしているだけにしか触れられない、プラマイゼロなもののみが残る。ギラギラしたものがない。
          後篇を観るかどうか迷う。


『あゝ、荒野』後篇
感動した。前篇からの目的にしていた相手との闘いが終わってからが、とても風情が出てくる。そしてそこには情感があり、それがプロセスを情感的リアルとして感じさせてゆく。自ずからも感じとられるからである。前篇の懐かしくも、リアルを写し取り切り取ったにも関わらずハリボテにしか見えなかった新宿も、情感と重なり本物に感じられてくる。前篇冒頭のあまりにも映画的な仕掛けとしてしか捉えられなかったテロ爆発も後篇ではリアルに差し迫るものある。早くタオルを投げりゃいいものを、でも映画だから、というより、あそこは詩だな。渇望というか性というか、そんなものではない本質めいた人間的なものを新宿新次が湧き立たせてくれる。沸点でもなんでもない、人間だからこそが持ち抱くもの。それは両者それぞれに在るものであり、だからあの挌闘のシークエンスが詩として死しざるものとして湧き出るのである。


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