関東予選当日。会場に到着したメンバーは・・・・
ただひたすらに緊張していた。関東予選は東京予選の時より人混みがすごいのなんのという。
そしてこの観衆の前で水着で歌う------------
面食らうは乃愛。軽く口からエクトプラズムがでていた。それを口に押し込んで??いる輝莉と星名も緊張はしているが、乃愛程ではない。水着の事はもうふっきれたし、練習も多大に積んできた。
ただそれでも勝てるかどうかは分からない。不安要素は・・・・燿は水着で歌う事にあると思っている。水着できっとちょっとはにかみながら歌うだろう3人を想像してみる。
うん。可愛い。文句なしに可愛いと思う。しかし女性客や他の出場者からは「あざとい手を使いやがって」と思われるかもしれない。
プラスになる事はあんまりないかもしれない。せいぜい男性票が少々流れてきそうなくらい。
燿「3人共。女性票は諦めるしかないかもしれない。ライブ中にブーイングがあるかもしれない。でも出来るだけ可能な限りのパフォーマンスをしてほしい」
輝莉「はい。がんばります」
乃愛「はい。ですがまだ恥ずかしさが・・・・」
星名「まだ言ってるの?もうあきらめなよ」
やる気はありそうだが、やれる限りのパフォーマンスが出来たとしても人気投票。裏目に出るかもしれないがもう後戻りはできない。
控室で待機をしていると、同じく東京予選を勝ち抜いた他の2組もやってきた。「お互いがんばろう」みたいなやりとりはあったが・・・・そこはライバル同士。馴れあいはしない。
開会式が始まるという時間になりライブ会場に行ってみると・・・・他の県の予選を勝ち抜いてきたチームが勢ぞろい。皆’見知った’顔ばかりだ。
別に顔なじみでも知り合いでもない。響介の偵察動画をみて一方的に知っているだけだ。
開会式がおわると恒例の順番決めのクジ引き。輝莉は9番目と後半始まった辺りを引いた。まぁまぁ悪くはないところだろう。
燿「ここまできたらもう覚悟は決まったと思うけど、大丈夫?水着ライブ」
乃愛だけ首を横に振った。しかしもうやらないといけないし、覚悟を決めなければならない。
順々にライブを行っていく他のチームを見に会場へ。皆華やかで輝いているようにもみえる。
・・・・この中には前回負けたチームもいるんだろうなと思いつつ、輝莉はライブをしていくチームをみていた。
勝ち上がれるのは3組のみ。皆今日の為、いや、この大会の為に練習をこなし、頑張って曲創りもしてきた。それは自分達も同じだ。
積み重ねた練習量が・・・・自分達も頑張ればこの予選会にでているチーム達に負けないという自信もあるが・・・・燿のいう女性票は諦め感がどうしてもある。
7番目の組・・・・同じ東京代表のチームがステージに上がった頃、控室へ戻り、着替えを始める。
自分達の番が終わって戻ってきたチームも含め、皆「えっ・・・・?」と小さく呟いた。
それはそうだ。ステージ衣装に着替えず、水着姿になっているのだから。
「あのー・・・・?それで歌うんですか?」
と、他のチームに聞かれ、答えに詰まる。改めて聞かれると・・・・水着でライブもどうなのだ?
星名「そうですよ〜。夏の海をイメージした曲なので〜」
「はぁ」
「練習はしてきたと思うんですけどぉ・・・・恥ずかしくはないのですか・・・・」
乃愛「恥ずかしいですよ!!」
「ですよね・・・・」
「でも頑張ってくださいね」
輝莉「うん!!」
そんなやりとりをしてステージ袖へ。8番目のチームも「えっ・・・・?」とちょっと驚いた顔をしつつ、去っていった。
燿「やっぱり皆びっくりだよね。今更にして僕も疑問だけど、もう引きさがれない。3人共頑張って」
疑問に思ったのなら止めてくれと乃愛は抗議したがもうどうしようもない。チーム名が呼ばれて・・・・いざステージへ------------
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