◆『幸福』(アニエス・ヴァルダ)
★バルトが言うような、自然にあるがままに見せられる神話。そこに伝達されるメッセージがある。それは解釈をいらない。
★2つの共存する世界が表される。シネマヴェリテが真実を表す。夫人を演じた婦人(註1)は、映像の彼女自身の死をどう眼差しに捉えたのだろうか。そこには一つの作品を見る眼差しがあるであろうし、そこにはそして同時に、WISHとWIZがノエシス、彼女の(そしてそれによってももたらされる私たちの)作用が生まれえる。共存を生む作用に在るもの、それは現実と虚構なのでもなく、解釈をいらない伝達されるメッセージですらもなく、願いと魔法それらとして在る。映画の強い力を感じいる。
◆『彼女たちの舞台』(ジャック・リヴェット)
★ラストの言葉:受刑者と彼らを待つ全ての者たちへ
★列車の窓に表れるもの、そこには逃避、帰還、心象、事実が映し出されている。ラスト・ワード、総ての人々のためにある。
2つの共存する世界が表される。現実と虚構としてのそれではなく、活き活きしたものと虚ろい。
和気あいあいとした彼女たちの所作と言葉、台詞と創作。相対化された分析としての間がちょっぴりあるけれど、それらすらも生を気づかせてくれるものとしてでなく、シネマとしての本質を顕すものとして在る。魔法ではない、より現実性を浮かび上がらせる間合いがある。気持ちいい。
かつて観たときは眠りを誘われてしまったけれど今回は真摯に眼差し交わらせてくれた『彼女たちの舞台』と、マジックな時間を官能させてくれた初見の『幸福』。
どちらも、素敵にしてスゴい作品でした。
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