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2017年08月28日23:32

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同胞


『同胞』
  作品に描かれる時代それは、寺尾聰や市毛良枝を考えれば、後期高齢者なりたての方々が青春を過ごしていた時代、若人が都市に出ていきそのまま残ったり、過疎化が起こる前触れのなか、新しい芽生えは生まれている。高度経済成長の時代に、その外側、また別の幻が表される。ふるさとのイメージが浮かび上がるのである。
  いまやまだかつて山田のどの作品も真剣に観るということなくなにげに観てきたのであり、また山田洋次のテクストを網羅しているわけでもないが、大林ので一番好きなのが『さびしんぼう』であることに対し、山田のなかでは『同胞』が一番印象に残る作品である。どちらの作品も仰々しさなくスッと心に届けてくれるライムなリズムあり。かなり昔に観て、今回久しぶりに観たわけであるが、やっぱりよがった。青年の純真さ、青年団皆のオフビート加減、倍賞千恵子の明るさ(今回のこれはサクラにはないものである)、皆の一生懸命さに融即されるからこそ唯イスに座って観ているだけなのにラストは登場人物たちの頑張りように胸がグッとくること、村の人々の笑い辛さを感じえること、かつて小学校の時分に講堂で観た演劇がリンクされ或る空間感を懐古したこと、それらが言葉であらわされないものとして感情にあふれ出てきて、この作品に在る。幸福を感じる。幸福、そしてそれは郷愁と可能性への想いなのだとこの作品は悟らせてくれるのである。岡本茉利、よがった。寺尾聰のゆったりとしたナレーションも、この作品の朴訥な雰囲気を加速させてくれる。


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