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2025年10月15日13:00

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Dance Companyピーピング・トム《トリプティック》~3/3

(続き)

・第3パート〈ヒドゥン・フロア〉

客船の古びたレストラン。
舞台転換時に天井近くに吊り下げられた3~4個のポリタンク、その口からボトボトと水が落ちる仕掛けになっていて、床に波紋を作り続ける。
それはあのトランク男の涙の続きかもしれないし、雨水や海水の浸水かもしれない。
ガラス窓の向こうには大きな波が寄せては返すのが見える。
舞台上の浅いプールに次第に水が溜まってくる。

2組の男女が奥のテーブルで食事をしている。
女は欲望を丸出しにしてヤケになって貪り喰い、呑み続け、向かいの席に座る男にしばしばグラスのワインを浴びせかける。
フォト

男女がのたうつように踊り始める。床からしぶきが上がる。
レポート~1の冒頭のチラシに見える男女の踊りはこの場面である。足下を見ると、フロアに水が溜まっているのが分かるだろう。
踊りは更に激しくなる。
フォト

次第に衣裳はズレて殆ど裸身となる。踊りはもはや殆ど性交に近く見え、終末的で絶望的な雰囲気が漂う。

窓の外に突然火が付き、たちまち炎が上がる。
それは客や乗務員達の幻影か、または豪華客船に起こった事故か、分からない。
それでも男女は自暴自棄となって踊り続ける。
フォト

1人の男は死んだように床に倒れこむ。
火炎は一層激しくなる。
船の沈没を予兆するような激しい音と振動がホールに響き渡り、舞台は突然真っ暗になった。


私がピックアップした過去の世界各地での映像・画像を見ると、ピーピング・トムの公演はディテールの変更や即興が多く、同じ作品でも異なるものに仕上がっている例が多い事が分かった。
まさにそれがピーピング・トムの目指すものの本質だと私は理解した。


終演後、舞台の水を吸引する裏方達。
これは私が撮った写真。
フォト


舞台上で大量の水を扱う例は、ピナ・バウシュのブッパタール舞踊団公演《フルムーン》、宮城聡のSPAC公演《アンティゴネ》でも生を観ている。
〈参照レポート〉
「ピナ・バウシュ/ブッパタール舞踊団『フルムーン』」(2008.3.30記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=760657286&owner_id=3341406
「SPAC公演『アンティゴネ』」(2021.5.6記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979171777&owner_id=3341406

この2作品の水は共に川を意味しているようだった。前者では舞台上に雨さえ降らせた。
後者の川は生と死を別つ「アケロンの川」つまり三途の川を象徴しているようだった。


構成・演出 カブリエラ・カリーソ,フランク・シャルティエ
セットデザイン G・カリーソ,ジュスティーヌ・ブージュロル
衣裳デザイン ソルジン・キム,イーチュン・リュー他
照明デザイン トム・ヴィッセル
音楽構成 ラファエル・ラティーニ,イスマエル・コロンバニ他
音響ドラマターグ R・ラティーニ
音響 ティム・シールマンス,ヘルト・デ・ウェゲナー

出演 コナン・ダヨ,フォンス・ドシュ,パノス,マラクトス,アルバ・デ・ミゲル,アキラ・ヨシダ,ルシア・ブルゲテ・シエラ,エリアナ・ストラガペーデ,ワンルン・ユー
有馬達之(おそらく現地シニアキャスト)(*)

(*)豊橋のシニアキャストは以下の要領で募集された。
・募集期間:7月19日(土)10:00〜9月1日(月)17:00 (一次:書類、二次:面接)
・対象:舞台やダンスに興味のある60〜70歳代程度、舞台上を杖なしで歩行できる健康な方。演劇・ダンス経験不問。
・定員:男性1名


〈付記〉
私の席は1階C列13番。
PLATは、今回1番前のA列に客を入れず、2番目のB列に座った人には雨合羽を渡した。
私はそのうしろ、前から3番目のC列中央付近だった。

〈参考〉
プレトーク
・日時 8.10(日)13:00~15:30
・会場 穂の国とよはし芸術劇場PLAT創造活動室A
・講師 三上さおり(世田谷パブリックシアター劇場部企画制作担当)
・ピーピング・トムのドキュメンタリー《サード・アクト》(Lotte Stoops,Mieke Struyve /2018)を観ながら。
 これには彼らの〈家族三部作〉から《ファーザー》《マザー》のハイライトが収録されていた。

「PLAT・NEWS vol.74」(2025.8-10)
フォト

・インタビュー:G・カリーソ(表紙左),F・シャルティエ(同右)「〈見つからない扉」の向こう側で何が起こっているのか」
・発行 2025.7、豊橋文化振興財団
 
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