昔は観に行きまくって、自分で映画作家を開拓するの一生懸命だったけれど、メディアエコロジーという学部のおかげで、むしろよく知られる人がなぜそんなにポピュラーなのかを調べていく感覚(例えば、それまではどちらかといえば苦手だったスコセッシとウディアレンはどうしてそこまでニューヨーカーに愛されるのかを知るべくふたりを観まくった)になったおかげで有名どころばかりを観るようになって、開拓する手間も省けてしまったけれど、こないだ知り合いになった人に、どんな映画が好きか尋ねると、沖田修一と言われ、誰それ?となり、調べると、南極料理人はあまり観たいタイプではなく、でも横道世之介は観たいなとなっていたけれど、これが一番よいと言われたキツツキと雨を拝見する。自分の物差しばかりでもなんだし、どんなのかなとなる。最初の方は、学生映画のような、暖かな素直な目線に目がいく。頑固老年と気弱な青年の心の交流で互いが何かしらの覇気をもらい変化するよくあるものでも、ミドルエイジクライシスでもなさそうな役所広司とこれがデビュー作なのかそれともスランプからのカムバックなのかバックグラウンドが分からない(観ていくと前者と思われてきたけど)小栗旬ゆえ、なんら説明もないなかふたりだけがスポットライトに照らされるようにフォーカスされ、周りの登場人物たちはギンギラリンでもなくさりげなく人柄を貢献し、カメラを止めるな!よりも遥か以前にゾンビを撮影現場に持ち込み、でも主張せずにさりげなく(逆にいえば淡々としていたけれど)、でもって遠景のラストショットがよかった。ふたりにフォーカスされるぶん、二人の変化に関心が奪われてしまうのである。それが特におもしろさもたらしてくれる。
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