『ファミリー・ツリー』
主人公は最終盤、さよなら、僕の苦しみ、さよなら、僕の喜び、と言う。我々は冒頭のボートに乗る彼女のみを見るのであり、その後は寝たっきりの彼女だけしか知らない。彼女がどういった人物かを、わずかながらに知っていく。そのノエシスにおいて、ペインのテクストは見知らぬ他者への感謝を表わしていく。生きるということ、子孫たちという原題のこのテクストはそのことへの感謝が表わされる。妻への、家族への、先祖への、そして大地への感謝が表わされる。ネブラスカで親子たちは父の家族の痕跡を、あの家で触れる。アバウトシュミットにおいて、主人公は会ったことはない少年から贈られた絵に触れ泣く。サイドウェイでは行きずりの恋ではなく、より触れ合っていくことで知る他者が表わされる。生に在る感謝の気持ち、生きていることの証となる。
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