ブランド、モンティ、ディーンが出演している苦難と苦悶と苦渋が表される青春映画は苦労が絶えないが、そんな青春の苦みばかりが表さるばかりではない脳天気にしてパーチクリンにハッピーな映画作品もフィフティーズ、そしてシクスティーズには存在したのである。
『ギジェット』(Gidget 1959)。キーワードはティーンエイジャー、サーフィン、カリフォルニア。どうだ?このバカ祭りぶりは?でも中身は見た目と違って少しだけシリアス、でも基本は脳天気パーチクリンなのである。
Gidget (1959) ORIGINAL TRAILER [HD]
主演のサンドラ・ディーはトラボルタとオリビア・ニュートン=ジョン共演で時代設定は50〜60年代しているミュージカル映画『グリース』(いまどきの若人はこの作品も知らないと思うが)で、サンドラみたいな恋をしたいって歌詞の歌があるぐらい、ディーは当時50〜60年代に人気があったアイドル女優。
『ギジェット』はその後、続編あったり、テレビドラマのシリーズにもなったりと、広く愛されたようである。
『ボーイハント』(Where the Boys Are 1960)。女子大生たちが春休み(スプリングブレイク)を過ごすためにフロリダにやってきて恋愛や冒険を繰り広げられる元祖・青春ビーチムービー。ハーモニー・コリンの『スプリング・ブレイカーズ』の先輩にあたる映画なのか。コリンの作品の方は苦いリアリティだったけれど、こちらの方はパッパラパーに脳天気。
Where the Boys Are (1960) - Trailer
『ビーチ・パーティ』(Beach Party 1963)。サーフィン、音楽、ダンス、ビーチという、60年代前半の若人文化を象徴する作品。若人文化を明るく商品化したハリウッド映画の典型。主演するフランキー・アヴァロンは当時のポップスターであるけど、後に前述したミュージカル『グリース』に天使役で現れ歌を一曲披露している。本作はAIPの製作。本作の続編もまたつくられ、いわゆるビーチ・パーティ映画がヒットし数本制作される。
Beach Party (1963) Trailer
Annette Funicello and Frankie Avalon - Beach Party (1963) - HD
AIP(アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ): 1948年の独占禁止法によってパラマウントや20世紀フォックス、ワーナーブラザースなどメジャー・ステューディオが直営の劇場を持ったりすることを禁じられ、客をよべる映画を劇場側が買う方向に転換し、メジャー・ステューディオは客をよべる映画を買ってもらわなきゃならなくなり、でもってその後のテレビ放送の開始により、テレビとの差異化で、シネラマやシネスコといったワイドスクリーンを誕生させ、テレビでは味わえないような史劇や大平原が表される西部劇、宇宙開発と冷戦に伴うような期待と不安に影響されるSFやモンスター映画を生んだり、あの手この手を駆使するわけだけれど、そのころ、自家用車やハイウェイやモーテル、と発達するモータリゼーションにあわせるかのようにドライヴイン・シアターが登場し(映画をしっかり観るというよりクルマのなかでイチャイチャするがゆえ、いつ観てもいいように何分に一回はクライマックスが表される造られ方がされていたようである、特にインディーズ映画が製作するときにおいて)、そして若者映画、当時に生まれたティーンエイジャーは当時の新しい音楽であるロックンロールを愛し独自の文化を求め、よって映画製作側からは独自の購買力を持つ新しい世代と見なされ、メジャー・ステューディオの衰退に伴い、インディーズ映画会社は低予算だけれど若人を惹きよせるSF・モンスター映画、ホラー映画を量産するけれど、AIPもそうしたインディーズ系映画会社のひとつ。ドライブイン・シアターは、客を呼ぶために「2本立て(ダブルフィーチャー)」での上映を必要としていたのだけれど、AIPはB級映画を2本セットにして安価で提供、映画館側もそのレンタル料を払えば売り上げはそのまま返ってくるので、AIPの作品はバカウケとなる。AIPはSFやモンスター映画やホラー映画をヒットさせ、後に若者映画としてビーチ・パーティ映画をヒットさせる。【後に、60年代末から70年代になるとグラインドハウス映画も量産するのだろう。ブラックスプロイテーション映画、バイカー映画が登場する。タランティーノは『ジャッキー・ブラウン』に主演するパム・グリアの主演作をAIPは製作する。ジョージ・ルーカスやスピルバーグは若人時代、こうしたインディーズ系のSF・モンスター映画も観ていたのであろう。それまでスペクタクル大作として史劇はハリウッドのメジャー・ステューディオは製作していたけれど、それまでなかったような、しっかり予算をかけた『スターウォーズ』と『ジョーズ』の登場はハリウッドがそれまでインディーズがやっていたことをメジャーに取り入れたことを示す。必ず売れると踏んだのである。ブロックバスター映画の始まりである。ヒューマニズムを写実するドラマ映画が高尚であるという考え方もやがて変化していくこととなる。】
American International Pictures (AIP) documentary
AIPだとロジャーコーマンばかりが語られがちのように感じられるけれど、このドキュメンタリーは全体をあらわしてくれるから面白いかも。
ちなみに、前述した『グリース』。トラヴォルタが主演の、フィフティーズ、シクスティーズをオマージュするミュージカル。
Grease - You're The One That I Want [HQ+Lyrics]
オリヴィアニュートンジョン演じるヒロイン、サンディはそれまで清純派の様相だったけれど、ラストはトラヴォルタに合わせ不良に、のラストの大団円。
ログインしてコメントを確認・投稿する