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2025年11月28日17:01

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TOKYO!  覚え書き


☆TOKYO! (2008) 覚え書き
 *購入したので観る。今回で3度目ぐらいの観賞である。いまやパラサイトで皆が知ってるし俺も知ってるポンジュノであるが過去2回の観賞では彼のことを知らず作品も観たことなかった(ついつい対で映画作家のテクスト(註)を観るのが好きだからその後、ポンジュノはパクチャヌクのテクストともども全て比較研究的に観たのである)。 【註; ここで言うテクスト(織り成し)とは映画作家の作品群のこと。作品群にはその映画作家の特徴や傾向が見出せる。特徴や傾向は彼らの過去の作品から連綿と受け継がれて描かれている。特徴や傾向には、例えば、登場人物あるいは描く世界の同一性ないし類似性がある。また、映画の外の世界である現実、そこで起こる出来事や事件が映画作家の考えに反映され取り入れられることもまたテクストに織り成されている。テクストはまた、私の考察において、映画作家のひとつの作品自体を言うこともある。】 
 *ゴンドリー、カラックス、ジュノどれもが、そこにいながらにしてそこには属してはいないアウェイな感覚であり、色彩やストラクチャーはポップだけれど、弾んだポップではなくなにかしずんだポップである。
 *今回はゴンドリーとジュノの恋愛模様の方が気分的に愉しめたが、それでも、カラックスの底力を見せる彼のエピソード、やはりチカラを見せる。今回はカラックスをメインにおさえ執筆。

☆TOKYO! (2008):インテリア・デザイン
 *ここに表される疎外感やエトランゼ感覚はゴンドリーが東京で感じる孤独感が反映されているのかな、或いは、ゴンドリーは日本人をあまりにも外国人志向的に歪曲化してしまっているのか、となるも、このエピソードのタイトルから察すると、努力と裏腹に志が低いと思われること悩む主人公であるが、本当の日本人女性の姿、内助の功を行いながら表には出ないその姿をゴンドリーは表しているのか、と理解し、もしかしたら時代的ずれを理解していないのかもしれないがゴンドリー、それでも”日本人”をちゃんと描いてるんだな、と思えてくる。インテリアデザインは彼女の思い描く彼女の夢。女性の胸に開く”空虚”、それはゆら帝の空洞ですに近いセンス、様々なイシューから起こる空虚。都会での疎外感、違和感、他者といることで感じられるもの、切なさ、エトセトラ。

☆TOKYO! (2008):メルド
 *マンホールの穴は空虚ではなく寧ろ、アンダーグラウンドからのかち上げとか噴き出しとか、そのようなセンスを吐き出すもの。この企画が来たときのカラックス、いつものような難しい表情をしての反応、嫌なのかな、と思って見ていると、しばらく時間があって、うーん、おもしろそうだ、ゴジラをやろう、と言ったこと、容易に想像できる。アレックス・コックス(『レポマン』)はゴジラをオレがつくると言って東宝に直談判をしたが東宝から断られた、と聴くが、カラックスも日本と言えばゴジラと直感が働いたのかな。この頃はカラックス、ポーラXがコケて映画をつくりたくはなかった頃なのかな、でも、アンダーグラウンドから吹き上げるぞ、というようなマニフェストを宣言しているかのような作品。じっさいにその後、ホーリーモーターズが絶賛されアネットでカンヌでの受賞、けっこういい感じで復活を遂げる。
 *昭和世代のボクにとってはフランスとアメリカは、ある意味、憧れ的なところあるけれど、LAに来春行くと言ってる最近の若人にフランスに行きたいかを尋ねると、危ないところというイメージを持っているようである。落ち着いて、ふむふむ、フランスの情勢を考えてみると、なるほど、テロはあるはデモはあるは、で、たしかにデンジャラスゾーンではある。カラックスのこのエピソードも危険であり、まさに”フランス”を体現している。60~70年代のゴダールの仏蘭西もパゾリーニの伊太利もテロあるはデモあるはだけれど、あれは政治の季節のそれらであり、アルジェリアやベトナム関係の国内産デモ・テロと違い、現在のそれらは排他される(外にも内にもいる)他者が国内でアンガージュマンするものなのであり、そこには違いはあるだろう。アウトサイダーの無国籍者の大暴れ、メルドはエトランゼを体現している。
 *平和ボケのジャポンに目を覚まさせるようにも見えるし、最終盤のドニラヴァンの白装束と漢字文字になるような所作では神道とリバティの融合のようにも見える。日本人女性の眼は膣のような形をしているから嫌いだとメルドは国辱的にプンプンなことを言うが、世界に対する愛憎半ぱな頭のなかブンブン混乱をカラックスは素直にアンダーグラウンドからのマンホールを突き破りを表現しているのだろうか。
 *アレックス三部作に主演しカラックスのペルソナと言われるドニラヴァンであるが、カラックスは彼とはプライベートでは一度も会ったことがなかったけれど、本作品の撮影中、東京をぶらぶらしてたら偶然ラヴァンと会い、そこではじめてじっくりいろいろ話したとのことらしい。

☆TOKYO! (2008):シェイキング東京
 *岩井俊二や園子温や庵野秀明やヲタク・カルチャーが大繁盛していた00年代、振り返ればやはり、地震とひきこもりがこの時代のキーワードだったように思えてくる。
 *主人公がひきこもってる間、世界はSF世界になっていた、という印象も持つ。異様な世界。でも、外国人が見るジャポンがブラックレインやロストイントランスレーションのようなしずんだプラスティック・ポップのように、ひきこもりがいきなり外に出てみせる世界も彼/彼女のエモや思考も絡まり異様なものに見えてくるだろう。そこにそそぎこまれる一瞬の清らかな風、そこに主人公の愛が生まれるのはいたって普通のことなのかもしれない。






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