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2019年09月25日20:58

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完全なる飼育

『完全なる飼育』
むかーし観たことがある。フラッシュの袋とじを見る感覚と和田勉ワールドを見る感覚が当時はあって観たように思う。和田勉ワールドとはいっても、私的には、阿修羅のごとくではなく、ダジャレを言う獅子舞の和田勉の世界という感覚だったと思うが。今回は、新藤兼人がホンを書いた、ということわけあって観た。でも、民族音楽の取り入れや、ユーモアとドロリが密接する世界、阿修羅の如くに和田ワールドがとても感じられるものであった。観ていても、新藤兼人を意識することが、没入のなかなくなるのではあった。しかれども、ホンがあっての演出、その人物造形は新藤世界を感じるものであり、取り巻く状況は、安城家のチェーホフする哀れと泥臭い視点のアイロニーが交わるのと同じものであり、それは彼の監督作品にも表されるもの(『濹東綺譚』と『三文役者』はこれほどポップではないが、これに特に合致する)ある。和田かプロデューサーかどちらが依頼したのか分からないが、利害関係ゼロのようなセンスである。

『完全なる飼育』、久しぶりに観るが、とても映画していて、おもしろかった。
新藤兼人は乙羽信子が演じる主人公像には、強さだけではなく脆さも見せたり、ある意味、邦画の伝統的ヒロインの性格も表しみせるが、川島雄三の『しとやかな獣』や増村保造の『卍』やこの作品に表されるように、新藤の脚本作品に描かれる女性は強いタヌキ型女性像があらわされる。若松の完全なる飼育に表される女性はストックホルム症候群陥るものであっても、この作品の小島聖は90年代的女子でタカビーでバブリー、狡猾と不思議ちゃんを併せもった謎めいたものがありながらの、奥行きなし。でも、それが和田ワールドにフィットするのではあった。


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