『キル・ビル』久しぶりに観るけれどおもしろかった。説明的というか、叙述的なタランティーノ台詞も気にならず、テンポよい。愛憎の因果応報的な流れは、タランティーノのいつものストゥリーム。主人公は心のなかでキル・ビルを号令のように繰り返し叫び、デスティネーションに向かうのだろうけれど、その精神がこの作品のエナジーとなる。これはビルがそうした釈明を一言も台詞でいっていないから解釈的であるのだろうけれど、わざとベアトリクスの的に命中させなかったのか、或いは愛した女だからしくじったのか、そしてビルはじっと彼女が来るまで待っていたのか、とも思えてくる流れである。愛する女に殺されたいビルのラストの雄姿、よかった。コーエンズと同様に、タランティーノにも、この社会に生きることでの疲労感というものが表されたりするけれど、これはサム・ペキンパーの常連じゃないかと間違ってしまうようなマイケル・マドセンに表される。彼の哀愁のセンスはぴかいちである。ベアトリクスのラストの歓喜、コワく、そして過剰に伝わる。それと、寅さんだったら、それを言っちゃおしまいよ、となるかもしれないが、YOU日本でなにしてる?に出てくる人々に比べて、ユマ・サーマンもルーシー・リューも、彼女たちの日本語、『007は二度死ぬ』からウン十年経っているというのに、ボンドの発話となんら変わらないものであった。
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