『アウトロー』
東から西へと向かうフロンティアとは違った、また別のフロンティアが表わされる。主人公ジョージー・ウェールズは逃亡というより漂流している。リンカーンのようなチーフをはじめとした“非文明人”たちとの邂逅が成される。彼らは約束の地としての、ブラッドビュート牧場へ向かう。そこはゴーストタウンの側にある場所であり、人が目を向けなくなったトポスとして存在している。誰しも知らなかったけれど、確かに在る場所。アメリカの或る場所。アメリカという場所。
ピルグリム・ファーザーズは、馴れ合いを好まない孤高であったのかもしれない。なにげに捻くれつつおおらかであり、頑固であり親しみやすさを持つアメリカという個。イーストウッドはアメリカという伝説を確かに表わしている。そこに漂流して辿り着いてから、アメリカは頑なまでのそのフィギュアを表わしている。
蜃気楼のなかから現われるゴーストではなく、バックグラウンドもはっきりとしているところからいでたる主人公であるが、畑を耕す姿がまず表わされるところは『許されざる者』のウィリアムマニーと同じである。されど、やがてレジェンドの姿が浮き彫りにされていくマニーと違い、このある意味の復讐潭、主人公の自己形成がプロセスのなかで成されていく。
ソンドラロックのなまめかしさも印象的である。たぶん、この作品が彼女をキャストした最初の作品ではないか。ローラは祖母と何気なく気を殺したかのようにして登場する。白いドレスに身を包んだ少女であるが、そこには不穏なメロディが表わされる。イーストウッドのマチズモの世界は供儀社会に生きる主人公が表わされるのであり、その場における女性にはケガレが表わされる。少女は『ペイルライダー』と同じように、そしてイーストウッドにおいては常に穢れある聖性として在る。
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