青春のお通り、購入したので観る。おもしろかった。吉永小百合の爽やかな歌声がオープニング・クレディットに流れる。吉永の爽やかな歌声が、白い雲、青い空、みんな私のもの、と、まるでトランプ発言のようなフレーズを謳う。しかし青春とはそうした根拠なき思考も含めているから青春なのだろう。本作と同時期に購入しこないだ観た青春の海の紆余曲折した展開と違い、本作は明朗にストレートなリズム。吉永の関西弁がテンポをさらに流ちょうにする。空撮のオープニング・クレディット、新興団地や電車路線の高架線や駅、そして今から街に開発されていくだろう野原が表される。高度成長期のジャポンである。お金にまつわるエトセトラ、吉永演じるはちゃっかりというあだ名の女の子。短大卒で家から独立、仕事も楽にできる感じで、子供もお姑さんもいなくて朝もルーズにできる高額のお給料払ってくれる文化人夫婦宅でのお手伝いさんを希望。三食付き楽もできる。するとその話を彼女から聴いた浜田光男は「そんな虫のいい話があるわけがない」と言うと吉永「それがあるのよ」。浮気も黙認の芸能人夫婦の近代建築宅である。誰にでも手を出すと、酒屋さんや運転手さんから噂されるこの宅のご主人、誰が登場するのかと思いきや、藤村有弘! 適材適所の適役である。されど藤村、本作では意外にも、おっちょこちょいでもなくエロ親父すぎることもなくダンディズムを表し主人公の吉永を諭すこともするいい感じの中年男性。そして彼のご婦人は派手な女優にまるハマりな芳村真理。そんな宅でのてんやわんや、吉永のスポーティッシュな動きとおっちょこちょいが小気味よく表される。吉永と同様に浜田宅に転がり込んでくる吉永の友人を演ずるは松原智恵子。吉永はボーイッシュな感覚、そして松原は綺麗淡麗なセンス。本作で、吉永と松原どちらが先に相手にコクるのかな、どんな松葉崩しがこの後に展開されるのかワクワクドキドキしていたら、なんと予想だにしない展開となり、意外や意外! 吉永と浜田がいい仲になるのである。返金してもらいたいぐらいである。されど、男女の恋のさや当ても悪くはない。他のヒトとのデートで互いが相手を好きなことを自覚していくこと、それは吉永が見ていく大人の世界に相対され無意識に自覚されゆく。藤村宅での浮気だけではなく尊敬する実の姉の自殺未遂、そこに見えてくるのは姉の旦那の浮気と夫とは違う相手との赤ちゃんを身籠ったアフェア。そうしたなかでボーイッシュで元気あるけどまだ子供の主人公の成長が表される。様々な男女の事情を見る吉永、もう大人なんか不潔、と、松原に走るのか、と思いきや、短大卒の役柄、そこまでナイーヴではなく、でもいろいろ考えるのか、彼女は成長している。されど、じっと考えるシーンはない、だからテンポいい感じが続く。むしろ主人公である彼女のいろいろ出会う行動を表し、あまりそこまで深く考える役柄ではないゆえ、いきなり無意識ながら気付く感覚、だから明朗に爽快なのかもしれない。また観たくなる作品である。
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