『ユマニテ』
デュモンはもっと熟考してやりたいけれど、だいたい観たあとすぐ書くことを信条としてるので(ちゃんと書きたいのでは、ねかしておくのはねかしているのはある)気が付いた感じのだけ。人間性は愛と平和あるいは慈愛だけでなく暴力性残酷性もあろうから、この作品には様々にそれらが凝縮されている。飛行機や新幹線の爆音、或いは、ドミノが見つめる海パンの股間もまた、現代の移ろいやすさ(ベンヤミンやボードレールが言うあれね)を表すもの。ストライキもまたそうであろう。事件捜査の進行の外にあるものが目に入ってくる。ゆったりした街のセンスにも現代性は、人間性の一環として有る。また、ふたりの関係性もあまり目立ったものではなかったけれど、関心の外にあったものとして有りながら、距離感が縮まる演出よかった。で、その後すぐに、犯人。ひょっとしてこのヒトかな、と思っていたヒトであった。素人を使ったからといって必ずブレッソンみたいになるわけではないので、意図的なものもあろう。けれど、ブレッソン的な所作に志向されるという以上に、フランスはやはりジャンセニスムなんだなと思わせられた。主人公が遠くを見つめることも、それなのだろう。
ログインしてコメントを確認・投稿する