『めぐり逢い』
記憶ではもっとシリアスな作品だったとリメンヴァランスするが、前半は後期ケーリーグラントらしくコミカル(前期の頃のフィラデルフィア物語やコンドルのシリアスなグラントは私的には魅力がない)。レオ・マッケリーらしく、おとぼけに粋である。後半はメロドラマの王道的にすれ違いでシリアスになる。後半のメモリーの方が鮮明かな。でも、エンパイヤーステートビルの前で起こる事故の記憶しか鮮明でないけれど。この時代のメロドラマって、既婚者との恋が多かったのかな。一線を超えてはならない、その線を、棒高跳びにベリーロールしてしまうのが、慕情にしても他の作品にしてもこの作品にもあるな(だから、スタンリードーネンの無分別はそのルールを逆手にとって茶化していたのだろうか)。と思ったら、まだ婚約者の段階だったのか。それにしても、デボラカーの元カレは彼女にとても献身的で心温まる。お祖母様にしても、悪い人が出てこないのもメロドラマの約束事か。グラントもカーも相手のことを気遣い、ホントのことは言わない。ラストの絵画のどんでん返しは全く覚えていなかったけれど、ラストをスマートにおさめてくれる。ウェルメイドのマッケリーらしい。この作品のカーは魅力的である。古風な女性だけど、その実、革新的、といったキャラが多いように思えるけれど、黒水仙に、王様と私に、この作品に、エトセトラ。アメリカのアプレゲールは大いに魅了されたのであろう。
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