『2重螺旋の恋人』
久しぶりにおもしろかった、オゾン。かつての異界で展開されるような作風から、New French Extremityと言われるのが嫌かのように、より現実社会とリンクし展開される物語性へと移行したかのようなオゾンであるが、今回は、例えば海をみるの想像妊娠的欲望にとりつかれ誇大妄想的行動に走るかのような、初期の妄想世界にドップリに回帰かのようなセンスである。されど、現実的環境が表され、われわれに身近にいるような主人公が表されながらも、その人物にはいつも異界人的なものが、例えば、リッキーの翼がはえた赤ちゃんは極端だが、そうしたものが潜んでいるかのように初期から変わらず一貫して表される。今作を観ながら、恋人の精神分析医は実は同じ人物で、主人公の不感症を治すため、日常と非日常とに連れて行ってる善意的行動なのかな、と思ったけど、非日常の彼はあまりにも暴力的になるので、それはないな、と思いながら、まず、そうしたシチュエーションはウディアレンのコメディだったらあり得るけど、こうした作品には有り得ないな、となるも、これはデパルマとポランスキーへのオマージュに充ちている、いや、充ちすぎている、と気付いてきて(観る前からダブルという時点で、ひょっとしてデパルマとは思ったが)、ラストはいつものオゾンのように、我々が観てきた出来事ほど現実にはなにも起こっていなかった、となるが、それでも、いやはや、おもしろい作品であったな、となる。オゾンのいくつかあるパターンの1つであるがゆえ、斬新には思えなかったけれど、或る衝撃はくれた。
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