『祇園囃子』
ミゾグチ的にはやはりこうしたテーマに本領が発揮させるのだろう。悲しいではなく哀しい。色気がある。粋がある。
『拝啓天皇陛下様』
傑作だった。最終盤のブーンブーンという車の走る音、この作品の後の、戦後を描いた『拝啓総理大臣様』において更に活かされる。デモクラシー批判の眼差しがあり、主人公は戦後においても兵隊として酷使されている。しかし『拝啓総理大臣様』ほど批判精神がギラついているわけではなく、チャップリン的なペーソスと笑いが上手く表され、素直に受け入れられる優しさにも満ちている。藤山寛美など印象深い役が与えられ、映画的時間のなか、野村芳太郎は上手く点と線を使い、深さを与えている。
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