『わが命つきるとも』、社会派ジンネマンの真骨頂。信念が人を動かすものであり、その経過をジンネマンのカメラアイが丹念に追っていく。正誤よりもエンタメ優先の現在のフェイクショー世界に欠けているものがジンネマンには表されている。しかし、現代映画に在るきれいごとばかりでは片付けれないといったものがない、綺麗事が表され、当時のアメリカ映画らしくドラマティックな部分はあるけれど、アクターたちの力がそれをも納得説得させるのはやはり凄い。原作の舞台もジンネマンもヘンリー8世のイギリスを糾弾するとか宗教心を擁護するとかと言うではなく、当時の60年台半ばのアメリカに、すでに、信念の欠けたエンタメ社会に入っていくものをみて危惧するところあったのではないかと思える、そうした作品である。
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