『ムード・インディゴ うたかたの日々』
奇妙だけれど素直な作品。ゴンドリー、これまで物足りなさを感じていたけど、この素直さがそれを感じさせていたのか、と思いけり。今回はフランスが舞台だからか、アメリカの、乃至ハリウッドのスタンダードから外れていたからだろうか、ゴンドリーの素直さきっと素直に出やすかったのであり、その素直さがよい。過剰に奇天烈なアイデアと絵も、きっと彼の素直さが生み出すもの。
素直は哀しみも生む。明るいムードで、ゴンドリーがいつも醸し出す哀しさは、そのメランコリー、色気としてあるのかと思ったけれど、進んでいくと、彼がいつも表わすように、起承転結の転のところで、悲しみ表わしてゆけれど、ユーモアも同時に、終わることなく続き、そういったなか、彼のメランコリーは悲しみでなくして、やはり哀しさなんだ、と感じけり。
コークに反駁するゴダールの時代の前の時代、アメリカへの憧れとサルトルへの祈りがある、そんな時代、やはり実存は本質に先立つ現実、そうした時代が表わされる。幻想もまた、この作品の冒頭でも言われ誰でもきっとそうであるように、リアルなのである。ピエールジュネっぽいドリフをシュヴァンクマイエルしていて、そんなこんなのゴチャゴチャも感じたけれど、そんなこんながあっても、ゴンドリーの素直にこちらもニコニコと素直に入っていけた。ゴンドリーってやっぱおもしろいな。
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