レンタル屋に行く。本当にパゾリーニはないのだろうかと目を皿にして隅々まで見る(カウンターに行って聴けばいいのである)。目を皿にしてみていったせいか、意外とこのレンタル屋、貴重なものがあれこれ置いてあるのだなと意外な発見をする。でも、意外とどこのレンタル屋にもそれらの作品はあるのかもしれないのだが、街のレンタル屋になにを置いてあるとかの内部事情とか傾向とかをまったく知らないので、意外と思うことは意外といいことなのかもしれない。
話を元にもどせば、パゾリーニを見つけるために目を皿にしていきながら、店員さんが勘違いしてアクションのコーナーに置いたのではないかホラーのとこに置いたのではないか、はたまたAVコーナーに置いたのではないかと、そんなこんなを思いながら隅々を隈なくみていく私がレンタル屋に存在したのであった。そうした私はパゾリーニとは出会えなかったけれど、意外なものを発見することになる。ゴダールの『たのしい知識』やモンテヘルマンの『コックファイター』とか、あといろいろあったな。貴重に思えた。でも、不思議なこともあった。
不思議なことそれは、ここ数年の間に公開されたポピュラーな作品たちが一本づつしか置いていないにもかかわらず『ハスラー2』が4本も並べられていたことである。なぜだか『ハスラー2』が4本も置かれている理由はよく分からないが、とにかく先に進むことにした。コメディのコーナーに向かう。コメディのコーナーに向かいながらも、どうして『ハスラー2』が4本も並べられていたのか頭から離れずにいた。きっと、切った張ったの偶然性を嗜好する方々がこの街には多いんだ、と信じ込むことによって、一瞬陥った強迫観念を解消する。すると、コメディのコーナーには、このまえ見損なった『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』が3本も並べられている。おっかなびっくり。このまえ見損なったのでレンタルして観ることにする。
『新・三バカ大将 ザ・ムービー』と『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』、そして『たのしい知識』をレンタルする。パゾリーニとは一本も出会えなかった。きっと、人気が衰退した、というよりは、たくさんのニョロニョロのおかげで、街のレンタル屋さんはご近所では解禁できぬのだと、そんなたのしい知識を得たことにして、レンタル屋を去ることにした。パゾリーニの自由間接話法とはなにか、未だ謎なのである。

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