『渇き。』(2014)
『パコと魔法の絵本』がファンタジーだから一番分かり易く表出しているのだろうけれど、中島哲也は常に夢を表している。子供たちの無意識に在るメッセージなのだろうか。
オヤジと、そのサイドキックである娘はやはり同じDNA、暴力に刺激を求める性である。この父は柄本明や宮迫やガマ王子と同じように、オフビートで偏った考えのヘンクツ者。感受性豊かなお年頃の娘の方が、無意識ながらも、痛みを知っている。親父は娘を捜していく過程、様々な痛みと出会っていく。
様々に見えないものが表される。しかし、そこには確かにある。ボクを軸とした前半は男女が、そして後半は様々な親子が、そこに在るのだ。絆が掘り起こされゆく。加奈子が放った媚薬は、此処に表される人々全ての絆、その掘り起こしへと導く。渇きは潤いを求めているのだろうか。ドライな社会でのその問いかけが、このテクストではなによりも求められているのであろう。
ログインしてコメントを確認・投稿する