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2020年01月26日21:25

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映画日記 『山鳩』

2020年1月26日(日)

『山鳩』(1957年)
監督:丸山誠治
日本映画専門チャンネル【録画】

浅間山のふもとを走る、高原鉄道の小さな駅が舞台。
中年で独り身の駅長が、ひとりで切り盛りしている。
ときおり近場の温泉宿の番頭と、人間の物まねをするむじなが訪れるだけの閑静な駅だ。
ある晩、駅長が自殺しようとしていた娘さんを助けた。
娘は客をとるような酌婦だった。
娘の身の上に同情した駅長は、行くあてのない彼女をそばに置くことになり・・・・

駅長を森繁久彌、娘さんは岡田茉莉子。
山あいの駅での、ふたりっきりの生活が、見る者を幸せな気分にしてくれる。
しかしというべきか、あたりまえというべきか、初めは父と娘のような間柄だったふたりが、やがて男と女へとなっていく。

しみじみとした映画で、最後まで心地よく見ることができた。
見どころは当時24歳の岡田茉莉子の愛くるしさ。
酌婦という役柄だが、くずれたところがない。
じつは劇中で、くずれたところを一度だけ見せるのだが、生々しさより清潔感が上回っていた。
もうひとつの見どころは、本作公開の5年後の1962年に全線が廃線となった草軽電気鉄道だ。
草軽電鉄は、その名のとおり草津温泉と軽井沢を結んでいた軽便鉄道だ。
『山鳩』だけでなく木下惠介監督の『カルメン故郷に帰る』(1951年)にも登場した。
草津温泉から軽井沢、想像しただけで、旅心がわきたってくる。
今は、同じ経路をバスが走っているという。


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