映画日記　『少女は夜明けに夢をみる』

新作封切りの金曜日だが、見たい新作映画がない。
それならばと、見逃しになりそうな映画をまとめて見ることにした。

２０１９年１２月６日（金）

『少女は夜明けに夢をみる』（２０１９年）
監督：メヘルダード・オスコウイ
今池・名古屋シネマテーク

イランの、犯罪をおかした少女たちを収容する更正施設に、カメラを持ち込んだドキュメンタリー映画。
雪合戦や、撮影クルーのマネをしてインタビューごっこに興じる少女たちの笑顔にあどけなさが残る。
彼女たちが窃盗や売春やクスリの売人、なかには殺人を犯したとはとうてい見えない。
そんな彼女たちが語り出す、捕まるまでの暮らしぶりが悲惨のひとこと。
少女たちが犯罪者へと転落するきっかけのほとんどが、貧困と男尊女卑の因習によるものだ。
叔父や義父から性的虐待を受け、依存症の父がクスリ代のために娘に売春を強要する。

監督がひとりの少女に向かって、「自分にも君と同じとしごろの１６歳の娘がいる」と伝えたら、少女は悲しそうな表情を浮かべてしまった。

「聞きたくなかった。私はゴミの中で育てられ、その子は愛情を注がれてる」

彼女のひと言が、いつまでも耳に残った。


引き続き、このあと２本見てきた。