mixiユーザー(id:6810959)

2024年04月29日23:41

26 view

映画日記『マッチ工場の少女』

2024年4月29日(月)

『マッチ工場の少女』(1990年)
監督:アキ・カウリスマキ
今池・ナゴヤキネマ・ノイ

マッチ工場につとめる若い女が主人公。
仕事は単調、家に帰っても居心地悪く、気晴らしにダンスホールへ出かけても、誰からも相手にされない。
ところが、やけ酒をあおるつもりで入った酒場で、見知らぬ男が近づいてきて、そのままベッドイン。
アタイにもようやく春が来た!とおもったのもつかの間、男からあれは単なる遊びだと冷たく捨てられてしまった。そして女は・・・・

ひどい話で、大笑いしたかったが、なにしろ場所が場所なので、いちおう自主規制。
自宅だったら、薬屋の「イチコロ」のセリフに爆笑だったはず。
不幸の連続というのが、最近はまっている若竹七海のミステリー小説にどことなく雰囲気が似ている。悲惨な話なのに、ジメジメせずにカラッとしている。
つまり、ブラックコメディに近い。
いっぽう、テレビからは天安門事件など当時の暗いニュースが次々と流れていた。
世界情勢の暗いニュースと、マッチ工場の女に降りかかる不幸の連鎖、それぞれはまったく別のことなのに、どこかでつながっているような気がした。

上映後に名古屋大学(だったとおもう)で小津安二郎を研究しているというフィンランド人の方が登壇してトークショーがあった。
流暢な日本語で語る、アキ・カウリスマキ監督やフィンランドの映画事情について拝聴する。
そのなかで、『マッチ工場の少女』のヒロインを演じアキ・カウリスマキ監督作品の常連でもある女優のカティ・オウティネンは、フィンランドでも人気があり、日本でたとえるなら樹木希林みたいな存在だという話に、なるほどねえとおもった。
連休中、キネマ・ノイではアキ・カウリスマキ監督の特集上映が続く。
すでに3本予約しているが、本作がとても良かったので、彼女の主演作『白い花びら』も追加で見ることにした。




8 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年04月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

最近の日記

もっと見る