夏休みに入り、部活・・・・もとい次のライブにむけての準備が始まる。
・・・・と思いきや、夏休み最初の活動日に燿から離された言葉に輝莉達はポカ〜ンとする。
なんと、曲創りをしなくていいという。既存曲はNGなのにどうするつもりなのか。
その答えはアイリーンからされた。今度の曲は乃愛ではない人に創ってもらうという。
美久「私が・・・・ですか?」
アイリーン「いいえ。貴女でもありません」
翼「美久君でもないとすると・・・・誰が?まさか部外者ではないだろうね?」
南斗答えていいか迷っている顔をアイリーンはするが、最終的には部外者にと答えた。
確かに大会規定に部外者が創ってはならないという一文はないが・・・・全メンバーが納得いかない様子。燿にも問うが、誰に頼むのかは知らないという。
アイリーン「曲はもう送られてきています。さっそく聞いていただきましょう」
始まりから一同息を呑む。重厚なオーケストラで始まり、そのまま1曲を演奏していた。
なにこれ怖い。どんな曲なのだ。試しに楽譜通りに歌ってみた。
キーがたかくて妙に歌いにくい。言ってしまえばオペラっぽい感じ。これを東日本選抜戦で歌えというのか。
ひとつきでモノにできるか・・・・3人は不安になった。STAR-MINEの面々も心配そうだ。
燿「これは難易度高くないかい?本当に誰が創ったのさ」
しかしアイリーンは答えない。いづれ紹介するとだけ言って練習を促す。仕方がないので曲のコピーを各自持ち帰り、よく曲を聞きこむところから始める。
しかしこの曲・・・・一体誰が。と輝莉は思ったが、こんないちオーケストラを使える人なんてアイリーンくらいしかない。衣装デザインもできるし多才な人だ。輝莉は1時間程聞きこんで歌を口づさんでみた。
・・・・やっぱりキーが高い。いままでにない曲だ。これは高い声を出す練習をやらないと形になりそうにない。明日にでも乃愛と星名に相談してみようと結論付けたところで眠気に負けてそのまま眠った。
翌日。近くの公園で待ち合わせ、練習の事について相談した。2人も同じ事を感じたらしく、練習を承諾した。
輝莉「あ〜〜〜〜」
乃愛「あーーーー」
星名「あああああ〜」
とりあえず「あー」だけで練習してみる。しかしいまいちあの曲に見合うだけのキーの高さがでているとは思えない。ただ高い声を出すだけではダメっぽい。1時間程ギラギラ輝く太陽のしたで声を発したが、練習より熱中症が不安になってきたのでとりあえず解散した。
自室で冷たい飲み物を飲みつつ曲をさらに聞きこむ輝莉。
誰かに発声練習をコーチしてもらわないとダメそうだ。アイリーンと燿にメールしてみた。「考えておきます」「考えておくよ」と同じ返答が返ってきた。待ってるだけでは仕方ないので練習はやってみよう。効果的な練習がわからないけども。
数日後。燿とアイリーンは表参道でデートしていた。デートはしているが、話題は東日本代表選抜の事ばかり。ムードもあったものではないが仕方ないだろう。上に立つ者達として。
コーチングをしてくれる人は雇えばいい。月乃宮の金を積めば良い人がきてくれるだろうが--------------
アイリーンはできるだけ、部費以内でなんとかしたいと考えている。STAR-MINEの衣装は月乃宮の自社工場で造らせてはいるが、費用は部費の中でだった。アイドルとしてデビューしてからは月乃宮プロダクションもちになったものの、デビューするまでのは全部部費で賄われていた。
燿「部費で来てくれるような人いるかなぁ。プロのトレーナーは高いよ?」
アイリーン「平気ですわよ。’曲を創った本人’にやらせますから」
燿「それでも金はかかるでしょ?」
アイリーン「平気でしょう。わたくしのひと声があれば」
随分自信満々だ。まぁ天下の月乃宮のご令嬢に逆らうのは余程勇気のある人だろうけども。
そして後日。その人物が部室にと来る事になる。
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