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日記一覧

照る日曇る日第1729回ユニークな題名の絵本なれど、絵はあんまりうまくない。むしろ最後のページで明かされるプロットの切れ味で読まれているのではなかろうか。それにしても、子グマをほたらかしにして、夜中におかずの魚釣りに出かけてしまう母グマって

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照る日曇る日第1728回吉川弘文館の「対決の東国史」叢書の1冊なり。だが、この両一族は対決どころか、義時&義村時代に見られるように、その大半が利害を共通した共存共栄の連合体を形作っていたようだ。それが一夜にして逆転するのが宝治元年6月5日の宝

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照る日曇る日第1727回ずいぶん長ったらしい題名だが、あんまり上出来とは思えない短歌がタイトルになっている。しかしてその内容は、新進気鋭の男子2人の歌人による、掛け合いツインセットの短歌集なり。1ページの右側が木下選手、その左側が岡野選手の作

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音楽千夜一夜第493回収録されているのは交響曲の2番、3番、5番、7番、8番と、序曲レオノーレ3番、コリオランで演奏しているのはミュンンヘンフィル&同放響とウイーンフィル。2番は珍しいが偶に聞くといい曲だ。クナの全集はVenias盤で何百枚だかの

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2810〜141)フィリップ・リーコック監督の「戦う翼」1962年の空軍機戦闘ドラマでスティーヴ・マックィーンとロバート・ワグナーが毎日ドイツを空爆しながらクールな美女ダフネを争う。火だるまになった戦闘機がつに

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照る日曇る日第1726回意味不明なタイトルにつまずいて長く手に取らずにいたが、図書館で見かけたので読んでみたらユーモアとウイットのある作風で面白かった。私が一番好きなのは「サラ・ジェシカ・パーカーさんが三叉路でサラとジェシカとパーカーになる

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照る日曇る日第1725回「義時はいかに朝廷を乗り越えたか」なる副題が付いているが、別に北条義時を主人公にしたお話という訳でもなく、源家を乗り越え、後鳥羽上皇を乗り越えて、本邦に冠たる鎌倉幕府を構築した北条一家礼讃の物語というところだろうか。

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第420回金婚式/恩師の金婚式を祝う教え子のスピーチ○懐かしい恩師のエピソードを印象的に語る本日ご結婚50周年の良き日をお迎えになりました金田先生ご夫妻に心よりお祝い申し上げます。*1私は、先生が

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照る日曇る日第1724回「おかあさんがおかあさんになった日」の続編が本作で、前作のおかあさんの娘が子供を生んで、おばあちゃんになって家族仲良く暮らしているさまを、それこそ幸せいっぱいに描いている。ウクライナの戦争ならずとも、世界は苦しみと悲

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照る日曇る日第1723回題名の通りに一人女性が入院して、元気な赤ちゃんを生んで、おかあさんになるまでを、大胆な構図と見事な観察挿画で描き切った大作絵本である。物凄いお腹をした出産直前の妊婦が、シャワーを浴びているシーンも大迫力だが、この絵本

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照る日曇る日第1722回「ごんぎつね」と並ぶキツネの名作が、忘れがたい絵本になった。夜に新しい下駄をおろすと狐の祟りに逢うという田舎の言い伝えを芯にしたモノガタリだが、そんな突然の言掛りを身に浴びた少年の不幸と悲しみを、家で迎えたハハキツネ

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照る日曇る日第1721回昭和31年に東京銀座の東書房から出版された丹波の郷里の本である。渋沢敬三が主宰する常民文化研究所の同人でもあった民俗学者の著者は、長く丹波の地方都市、綾部に住んで、同地とその周辺の丹波地方の村落の言語風習地理動植物天文

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ある晴れた日に第674回天ざかる鄙の里にて侘びし人 八十路を過ぎてひとり逝きたり  日曜は聖なる神をほめ誉えん 母は高音我等は低音教会の日曜の朝の奏楽の 前奏無みして歌い給えり陽炎のひかりあまねき洗面台 声を殺さず泣かれし朝あり千両、万両、

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ある晴れた日に第673回つたなくて うたにならねば みそひともじただつづるのみ おもいのままに   七十年 生きて気づけば 形なき蓄えとして 言葉ありけり     1995年4月いぬふぐり むれさく土手を たづね来ぬ 小さく青き 星にあいたく 

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照る日曇る日第1720回堀内選手はとっくの昔に亡くなっているのに、2021年の新作絵本だというので手にとって見たら、1970年代に描かれた絵に谷川選手が文章をくっつけて1冊の本にしたという。「ちちんぷいぷい」はお手柄だけど、あとはスカスカ。どうりで

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照る日曇る日第1719回1961年に刊行された義時に関する最も基本的で内外に定評のある名著を2004年の新装版で読む。初版の刊行以来なんと60年以上も経過したために、学会の最新動向や最新式の見解は当然含まれていないが、その背筋のピンと伸びた厳格な学問

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2805〜091)ロバート・レナード監督の「高慢と偏見」ジェイン・オースティンの原作を1940年にハックスリーの脚本、ロレンス・オリヴィエ、グリア・ガースンのコンビで映画化。山あり谷ありの末に訪れるハピーエンド

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音楽千夜一夜 第492回ウイーンフィルと同じ1842年にNYで設立されたオーケストラの代表的な録音をセレクトした65枚組のCDなり。最初期のジョセフ・ストランスキーが指揮した1917年録音の新世界交響曲のラルゴなどは78回転レコードからの復刻だが、それ

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2800〜28041)ジャック・フェデー監督の「ミモザ館」フェデーの妻のフランソワーズ・ロゼーが主演する1935年のおふらんす人情劇。ヒロインがせっかくカジノで大金を手に入れたのに、阿呆莫迦男は毒を仰いで死んでし

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照る日曇る日第1718回「鉄道に見る日本近現代史」という副題が付いた新書だが、中原中也が出てくる「漱石と中也、「汽車」と「電車」」という短いコラムが面白かった。1937(昭和12)年に私が毎年健康診断に行く鎌倉養生院(現在の清川病院)で、結核性の

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第419回銀婚式/友人の銀婚式を祝うスピーチ●昔のエピソードを紹介してユーモラスに祝う田中君、そして奥さんの郁子さん、銀婚式おめでとうございます。*1私は田中君の高校時代からお付き合いをさせてい

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 西暦2021年霜月蝶人酔生夢死幾百夜中国大陸にほど近いその小島には、仮想敵国からの情報を細大漏らさず収集するための、大中小無数のアンテナが、蟻の這い出る隙間もなく立ち並んでいた。11/1佐々木かをりが親戚ではなかったと知ったおらっちは、少なか

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第418回喜寿の祝い/恩師の喜寿を祝う教え子のスピーチ●生涯の恩師に対して感謝の気持を込めて語る中山先生、つつがなく喜寿をお迎えになりまして本当におめでとうございます。*1私は学生時代に先生の教

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照る日曇る日第1717回大河ドラマで一躍フューチャーされるようになった北条政子とその義時であるが、どうにもこうにも胡散臭い姉弟で、父時政に服従するふりをしながら源家を潰し、北条一門の栄耀栄華を構築したこの二人の陰謀と悪業は、殆どプーチン並み

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北の女流詩人による第2詩集である。 6年前に刊行された処女詩集「夏の呪文」に比べると、さらに発想が柔軟なものとなり、詩的言語はいっそう自在に駆使されるようになる。 詩人は、目の前にあるもの、たとえば、にんじん、さくらんぼ、ピーマン、すいか、茄

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照る日曇る日第1716回1849年、著者はペトラシェーフスキー事件に連座して、いま全世界の識者から糾弾されているプーチンにも似た卑劣な独裁者ニコライ1世の手で、無実の罪で4年間シベリアに流刑された。死から蘇えり、第2の人世へと帰還した著者が

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2796〜28001)マーロン・ブランド主演監督の「片目のジャック」1961年の西部劇だが、監督の無能ゆえに随所でゆるみとたるみが目立つ。唯一の長所は風光明媚なカリフォルニアのモントレイを舞台にしていることくらい

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照る日曇る日第1715回老いてますます盛んな活火山詩人によるライヴパフォーマンス的詩論なり。どうも何回かの講演、あるいはフリートークを1冊の新書本にまとめたのだろうが、それならそうと説明してもらいたいものだ。「詩とは何か」という設問に対して

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西暦2021年神無月蝶人酔生夢死幾百夜海中なのに、巨大な水中ブルトーザーが、タラバガニのような大きな両腕で、海水を胸に抱え込んでは、次々に陸上に抛り投げていた。10/1戸塚駅で横須賀線に乗り換えたら、ヴィクター宣伝部のトマツ氏が疲れた顔をして、

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西暦2022年月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第417回石原慎太郎死す、89歳。現代日本が必ずしも必要としなかった人物の一人。2/1どのメディアも「偉大な人物」なぞと讃えているが、政治思想以前に、その持って生まれた傲慢不遜、ア

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