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日記一覧

照る日曇る日第1639回朝日新聞日曜版に連載されたエッセイでその名を知って、はじめて手にとった長篇小説です。全篇をすらすら読み終えることができてその点だけは喜ばしかったが、振り返ってみればなにも残ってはおらへんかった。「美貌の姪に恋焦がれて

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第412回○文学賞受賞を祝う友人のスピーチ雨宮重彦さん、*1いやさ、雨ちゃん。宮川賞受賞ほんとうにおめでとう。僕は、君が、いまを去る30年前、横浜の大桟橋からバイカル号に乗って世界放浪旅行に旅立

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照る日曇る日第1638回3年の歳月をかけて1999年に完成した、黄色い装丁の漫画なり。「ジャック・チボーという名の友人」という副題が付けられているがごとく、ロジェ・マルタン・デュ・ガールの名作の文言を、終始随所に織り込んだ女子学生、田家実地

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西暦2021年卯月蝶人酔生夢死幾百夜町内会長がやって来て、「4月から国の税率が変わったので、服の売り方も変わり、服の売り方の変化を国の税率に反映する」と言うのだが、我々あきんどには、何のことやらさっぱり分からなかった。4/1いつの間にやら、わ

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照る日曇る日第1637回1998年に筑摩書房から出版された洒落た詩集です。男と女、男児と女児、あかちゃんからおじいちゃん、おばあちゃんまでの家族、すべての人間になりかわって、文字通り「はだか」の原初的形態が、全篇ひらかなで赤裸々に開示されて

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第411回○市民野球大会優勝祝賀会の来賓の祝辞ひとことお祝いを述べさせていただきます。峰山市市会議員の富田雄二でございます。*1スポーツといえばやっぱり野球であります。海の彼方ではイチロー、佐々

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照る日曇る日第1636回「仰臥満録」は、「墨汁一滴」「病床六尺」と並ぶ子規晩年の遺作である。時系列でいうと、まず「墨汁一滴」が、明治34年の1月13日から7月2日まで「日本」紙上に連載され、ついで私家版の「仰臥満録」が、明治34年9月2日か

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照る日曇る日第1635回これは「悪霊」のあと1875年に書かれた4番目の長篇である。題名通り「未成年」である若者の未熟で自由奔放な「生活録」を、まるで熱に浮かされたような独白(筆致)で綴っていくのであるが、これは「罪と罰」と同様、雑誌の締め

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照る日曇る日第1634回文学者は、みな小説家になりたがる。短詩形の詩歌は短いが、小説は長いから原稿料が入りやすいからだろう。もちろん正岡子規も、あの石川啄木も、小説家になりたかったのだが、事志と違って、その代わりにというては何だが、もっと物

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音楽千夜一夜第485回&蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第409回レジナルド・ケル(1906-1981)は一昔前の英国のクラリネット奏者で、ロイヤル・フィルやロンドン・フィルの首席奏者を務めた。この11枚組CDには、ドビュッシー、ヘン

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照る日曇る日第1633回安政の江戸町奉行に奉職していた鈴木藤吉郎という人物に、どうして鴎外が着目したのかはよく分からない。しかしながら、ともかく大正6(1917)年の鴎外は、いつのまにやら成りあがって水戸老公斉昭や老中阿倍正弘の後ろ盾を得な

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2657〜611)バレーリー・トドロフスキー監督の「ボリショイバレエ2人のスワン」2017年のロシアバレエど根性物語ずら。2)ラウル・ペック監督の「マルクス・エンゲルス」2017年の仏独白耳義合作映画。プロレタ

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第410回○市民サッカー大会優勝祝賀会監督の謝辞本日は、私たち「丹波ビクトリー」のために、かくも盛大な優勝祝賀会を催していただき、選手一同身に余る光栄と感謝、感激いたしております。*1なにせ2年

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照る日曇る日第1632回「墨汁一滴」は自力で執筆できた子規だったが、ますます病は重くなり、明治35年5月5日からの日記「病床六尺」は、口述筆記に切り替えざるを得なくなった。しかし、であるがゆえに、記述の対象は前著よりも多角的に広がったので読

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第409回○市議会議員当選を祝う会での友人の祝辞事務局長の潮田益子です。*1京須虹子さん、虹子さん、あなたという人は、遂に遂にやってくれたわね。思えばわたしたちが人口5万人の玉川市に「たまがわの

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音楽千夜一夜第484回&蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第408回セルゲイ・クーセヴィツキー(1874-1951)はアメリカで活躍したロシア系ユダヤ人指揮者で、1908年にベルリンで指揮者としてデビュー。ロシア革命から逃れて渡米してか

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2647〜561)ジョシュア・ローガン監督の「ピクニック」流れ者のウイリアム・ホールデンとお嬢様のキム・ノヴァクによる1955年のラブストーリー。夜のピクニックで2人が踊るシーンが奇跡的な美しさである。ラストで

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第399回○市議会議員当選を祝う会での夫の謝辞*1京須虹子の夫でございます。このたびは玉川市議会議員選挙にて絶大なるご支援ご協力を賜り厚くお礼申しあげます。*2実は前回の選挙得票がたったの123

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照る日曇る日第1631回子規の晩年、明治34年の1月13日から7月2日まで「日本」紙上に連載された随筆集である。子規は俳句において、なにが「月並み調」なのかを、何度か取り上げているが、結局それを感じ取ることはできても、理屈で定義できずに終わ

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第398回○勲五等瑞宝章受賞祝賀会受賞者のあいさつ本日はかくも盛大な祝賀会を開いて頂きまして、いたく恐縮致しております。またこのたびははからずも叙勲の栄に浴しまして、たいへん晴れがましく思ってお

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 西暦2020年弥生蝶人酔生夢死幾百夜山頂に辿りつくと、そこはマイカーで登ってきた大勢の60年代の若夫婦で渋滞して、身動きできないほどである。よく見ると、そこには一本の桜の大樹があって、幹にとりついた2匹のセミが、誰かがカメラを向けるとポー

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照る日曇る日第1630回水戸藩の学者の子孫に生まれた山川菊栄による懇切丁寧な覚書である。 祖父の青山延寿やその一族の延光が、藩主の斉昭に仕えた儒者なので、これを読むと、尊王攘夷の親玉と見做されている水戸藩の烈列やその取り巻きの人々の言動や人

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第397回○バイオリンコンクール入賞祝いの恩師のスピーチ漆畑キリコさん、このたびの「パガニーニ国際バイオリンコンテスト」第2位入賞おめでとうございます。*1キリコちゃんを手塩にかけて育て上げられ

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西暦2021年長月蝶人物見遊山記&蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第396回日曜の朝、車に乗って出かけましたら夏の海水浴の定番柴崎の駐車場が閉鎖されていました。コロナのせいかな?まだ美術館が開いていなかったので、外側の散策路を

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照る日曇る日第1629回砂浜に漂着し、そこで「ノロ」になったヒロインの秘密と共に、ニッポン、タイワンそして「彼岸花が咲く南の島」の歴史が、次第に明らかになっていく。それはまた、3つの島の言葉を巡る物語でもあり、性と戦争を巡る物語、そして作者

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西暦2019年霜月蝶人酔生夢死幾百夜最高権力に逆らった罰として、私は荒れ狂うゴリラの入った檻に入れられたまま、血に飢えたサメどもがうようよ泳いでいる海の中に放り込まれた。11/1バッハについての講演会があるというので、指定された会場に定時に到着

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西暦2019年神無月蝶人酔生夢死幾百夜「こちらは某国の王女様であるが、今日から1ヶ月間お前たちと一緒に仕事をして下さることになったから、万事よろしう頼むぞ」といわれたのだが、それから1ヶ月間、私らはてんで仕事にならなかった。なぜなら王女様は

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西暦2021年葉月蝶人狂言綺語テル&バガテル―そんな私のここだけの話第395回パンデミック狂乱に対して必要最低限のワクチンすら確保できず、「五輪命」と縋りつき、「緊急事態宣言」てふ千社札を張りつけることしか出来ない無為無策最低政権を、あんた

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ある晴れた日に 第657回なにゆえに大暴動が起こらない こんな世の中はもうたくさんだなにゆえに詩も歌も出来なくなったそろそろ年貢の納め時かなにゆえに着替える端から臭くなる洗濯のせいか老年臭かなにゆえに夜の8時に仕事する大工は早寝早起きしなき

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ある晴れた日に 第656回打つときはいともたやすく柵を越ゆ滅多に出ないホームランは3匹のメダカが次々死んでゆき我らの身代わりになってくれたりなにゆえに猛暑の後で梅雨になる地球が我らに仕返ししているこの国が滅びていくのを薄眼開け時々見ながらま

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