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2022年03月07日11:46

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ドストエフスキー著・米川正夫訳「死の家の記録・いやな話・夏象冬記」を読んで



照る日曇る日第1716回

1849年、著者はペトラシェーフスキー事件に連座して、いま全世界の識者から糾弾されているプーチンにも似た卑劣な独裁者ニコライ1世の手で、無実の罪で4年間シベリアに流刑された。死から蘇えり、第2の人世へと帰還した著者が作った3つの中短編を収めたのが本巻である。
「死の家の記録」では作家が監獄で遭遇した様々な人物像が赤裸々に描かれ、これが地べたに生きる人間のほんたうの世界かと思い知らされるし、「いやな話」では封建的な身分格差の下に呻吟する官僚たちの卑屈な生態につくづく嫌な気持ちに陥るし、「夏象冬記」ではドストの世界観の一端に触れることができて興味深いが、カフカの不条理を先取りしたかのような短編「鰐」が、今のおらっちには一番の読物だったずら。

    プーチンを亡き者にせぬ限り終りはしないウクライナ侵略 蝶人

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