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日記一覧

照る日曇る日 第2043回後醍醐天皇の建武の新政を打倒して室町幕府を創生した足利尊氏、直義兄弟と執事、高師直の歩みをモノガタル長編小説なり。尊氏は弟の直義と正反対の侍で、ある種の直観はあても、まるっきり確固とした定見なく、その時その時の空気

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3610〜141)アンドリュー・ドミニク監督の「ジェシー・ジェームズの暗殺」民衆の敵と恐れられつつその暗殺犯よりも民衆から愛された凶悪犯の半生を粛々とと描く2007年の快作ずら。2)アネット・K・オルセン監督の

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照る日曇る日 第2042回柳田國男が、佐々木喜善から聞き取った遠野の昔話を、柳田自身の毛筆で書きおろした草稿、それをペン字で原稿用紙に書き直したもの、そして1910年に限定350部で自費出版された初版本の朱字入り初稿を、初版本の版面と共に再

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照る日曇る日 第2041回「でんでらの」という言葉は本来は「蓮臺野」で、「れんだいの」と呼び、京の鳥辺山のように「墓のある土地」を指す。遠野の人々は60を過ぎて老人になると、みなこの「蓮臺野」に集められ、生涯この地で過ごすことになっていたら

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3605〜091)モーリス・ピアラ監督の「愛の記念に」1983年のサンドリーヌ・ボネールの華麗な?男性遍歴ずら。こんな女性と結婚した男性はたまらないだろうな。2)ジョセ・ダヤン監督の「スパイ」元レジスタンスのグ

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これでも詩かよ 第313回〜西暦2024年卯月の歌どんどん 歩いて行こうよ、どんどん。どこかで知らない蝶が、飛んでいるかも知れないじゃないか。語り合おうよ、どんどん。へえー、こんな人だったんだと、びっくりするかも知れないじゃないか。愛し合お

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これでも詩かよ 第312回〜西暦2024年卯月の歌のでのでゾンビ 桜が満開の庭に、布団を干そうとしていたら、突然マイケル・ジャクソンの動画に出てくるゾンビ踊りをしながら、初老の男女数名が、光る庭に入ってきた。その中の2名は、縁側を跨いで、青

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同志少女よ、誰を撃つ春だった。ある晴れた日の、朝だった。チボー家の人々は、誰も徴兵されなかったのに、オレっち、ジャックだけが徴発された。どうだ、カッコいいだろう?で、まさか戦争が始まるとは、夢にも思ってもいなかったのに、それが突然始まったと

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これでも詩かよ 第310回〜西暦2024年卯月の歌相寄る魂天秤座から蠍座に入ろうとする青白い月を見ながら、しろうさぎのおばさんが、いいました。「コウ君、私の誕生日を知ってる?2月29日は、4年に一度の私の誕生日なのよ」すると、すかさず、暗算

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照る日曇る日 第2040回これまでの小津関連資料を隈なく渉猟したうえでかなり自由なスタンスで書かれた小津安二郎論ですが、類書にない意外な指摘があって、なかなか面白かった。例えば、「晩春」のラスト近くの京都の宿で突然登場する「壺」。あれをファ

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3600〜36041)ロバート・モンゴメリー主演・監督の「湖の女」1947年のチャンドラー原作の私立探偵マーロウ物。他の作品と同様筋が入り組んでいてちっとも面白くないが、マーロウとカメラの視線が同一なのでチョっと

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照る日曇る日 第2039回2014年に87歳で命終したコロンビア生まれの偉大な小説家の遺作です。熟年のヒロインが年に一度だけ8月に母親の墓参りをする。その時に自らが求めて見知らぬ異性に身を任せたり、任せられなかったりする、という、まるで三文

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照る日曇る日 第2038回柳田國男の佐々木喜善からの聞き書きである「遠野物語」を絵本にした「えほん遠野物語」シリーズの1冊である。原本の「69」の項には、確かに馬と結ばれた娘の悲劇を主題としたオシラサマの伝承が書かれており、父親が桑の木の下

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3599見るたびに、いろいろな発見とさまざまな感慨が浮かんでくる映画です。私はこれまで笠智衆の父親と原節子の娘が住んでいるのは北鎌倉だと思っていたのですが、そうではなく鎌倉でした。海まで14,5分という会話が

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3594〜981)クリス・マルケル監督の「ラ・ジュテ」1967年の実験映画。第33次世界大戦前の少年期に見た彼女との出会い。2)ガイ・ハミルトン監督の「空軍大戦略」スピットファイアー対メッサーシュミット。1969

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 照る日曇る日 第2037回詩を書き、詩を語り、詩を朗読し、詩を舞踏し、詩をドキュメンタリー映像と一体化し、代表作を燃やして、詩を殺しつつ不意によみがえらせ、詩を前人未到の地点まで押し上げて燃え尽きようとたくらむ不世出の詩人の、過ぎ来しゆく

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絶対零度−273°C*
2024年04月14日09:41

これでも詩かよ 第309回ある日彼は、「ありのままの世界が聞こえる音楽」をつくろうと思った。3つの休止符からなる「4分33秒」のフレームの中では、偶然の音楽が、次々に生まれては、消えていく。ある日彼女は、「人の心が映る服」をつくろうと思った

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 照る日曇る日 第2036回添田さんが主宰、発行されている「ネメシス」という雑誌を恵贈にあずかったので、窓の外を散りゆく大島桜を時々眺めながら、謹んで拝読いたします。巻頭の伊藤菜乃香さんの詩「新型コロナウイルス感染症」も興味深かったのですが

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 照る日曇る日 第2035回今から20年前にゲンちゃんが書いたエロエロゲバゲバ小説なり。ご本人が評価しているといのでザッと読んでみましたが、アヴァンギャルド力、パンク力、前進力、突破力、エロス力は現在より強力に有すると感ぜられたものの、期待

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3589〜931)ロベール・ブレッソン監督の「田舎司祭の日記」結核ではなくガンに冒されながら懸命に勤めを果たそうとする若き司祭の苦闘を淡々と描き出す1950年の名作。その生涯の最後に彼は友人に何事かを頼み、それ

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照る日曇る日 第2034回後半になるといささか駆け足気味になるのが惜しまれるが、まるで草花と合体してしまった牧野富太郎と作者が合体してしまったような長編力作である。表層をフワフワ流れて去ってしまった,かの公凶放送の阿呆莫迦テレビドラマと比べ

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3584〜881)ムン・スンウク監督の「ロマンス」熱血刑事と権力者の妻との2006年の絶望的な悲恋物語。2)リュ・スンワン監督の「ベテラン」巨大財閥の超悪御曹司と戦うベテラン刑事ファン・ジョンミン。ユ・ヘジンも

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照る日曇る日 第2033回後半に入ると、「やまゆり事件はなぜ起きたのか」というRKB毎日の神戸金史さんの、植松聖との面会の再現記録が刺激的でしたね。植松が施設職員として無知であり、まともに仕事が出来ていなかったことがあからさまにされている。

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照る日曇る日 第2032回今号の特集は「戦争」です。佐藤さんによる社会学者橋本大三郎さんのインタビューは、コーランとイスラム教の根幹に遡って「イスラエルvsハマス戦争」の本質を抉り出した現状分析で、「イスラム世界には正統的な統治者(カリフ)

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照る日曇る日 第2031回こないだ共同訳の「旧約」を読んだら超面白かったので、今度はあたらしい「新約」を読んでやろうと思って、様子を伺っていたら、岩波から新約聖書翻訳委員会のほんやくの改訂新版が出たので、得たりやおうと読んでみたら、これまた

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照る日曇る日 第2030回作者の生前最期の書物として世に出た短編集を読んでみたが、名手の掉尾を飾るにふさわしい見事なアンソロジーだった。7.5調のリズムに乗って終止符めがけて前へ前へと突進していく西鶴流の「コロナ追分」こそ作者の本領発揮だろ

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3579〜831)ユ・ハ監督の「情愛」カム・ウソンとオム・ジョンファとの情愛を描きつくす2002年の恋愛映画の秀作。2)ホン・ギソン監督の「一級機密」実際の事件を元に欠陥航空機部品汚職事件を骨太に描いた2017

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西暦2024年弥生蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第424回「久しく現代の美術が問題にした、表現のゼロは、今日になっても作家が一人新地に立つ基点のように考えます。何故ならば、芸術は存在しない結論への疾走だと思うからです」鴫剛「

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ある晴れた日に 第722回なにゆえに政倫審を放棄して予算案を採決するのかなにゆえに予算案に賛成するそれではジミンの犬ではないかなにゆえにいつもシャッターを閉めている長谷公文堂は廃業したのかなにゆえにかくも凡庸なオケに成り果てたベーム=ヘッツ

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ある晴れた日に 第721回50歳の自閉の息子の行く末を案じて祈る桃の節句に コウ君と床屋へ行けば昼寝するここは安心できる場所なのね「あらあんた近頃シニョレに似てきたね」とドルレアックの轆轤首がいう憎たらしきは中国製テレビ「ハイセンス」主電源

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