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2022年03月29日10:44

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木下龍也&岡野大嗣著「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」を読んで



照る日曇る日第1727回

ずいぶん長ったらしい題名だが、あんまり上出来とは思えない短歌がタイトルになっている。しかしてその内容は、新進気鋭の男子2人の歌人による、掛け合いツインセットの短歌集なり。

1ページの右側が木下選手、その左側が岡野選手の作品になっていて、ある種の連歌みたいに2首の世界が相関するように仕組まれているようだ。

従って発句役の木下が提示した世界を、脇句役の岡野がいかに受け止めていくかが詠みどころであり、読みどころでもあるわけで、そのスリリングなジャムセッションが7月1日の木曜日から7日の水曜日まで続いたようだから、これは短歌による「連歌五十韻」ということになるのかも知れない。(足らざる2首を冒頭と結句で追加して合計100首、めでたし、めでたし。)

作品をアトランダムに取り出すと、

道ばたにみつをみたいな詩集売るおじさんがいて血を吐いてる(木下)

夕刻のイオンモールの屋上から見たくて見てるニトリの屋上(岡野)

というような突合せだ。

うまく行っているのもあれば、失敗しているのもあり、終わり際になると、木下選手が好首を連発しているけれど、岡野選手は次第に調子を落として受け損なっているような感じだが、それはともかくそのチャレンジ精神に好感が持てます。


「いざとなれば核を使うぞ!」と脅すので誰も戦争を止めることが出来ない 蝶人


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