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日記一覧

照る日曇る日第1692回「巨悪が蔓延る濁世に、権力者共を打倒して社会正義を打ち立てたい」と願うある種の倫理的浪漫主義が流行し、それが実際に様々な政治組織の内奥で沸騰し始めると、たちまち「どんな正義を、どのようにして実現するのか」を巡って激し

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照る日曇る日第1691回昔からシェークスピアにまつわる謎は多いが、彼の家族についての謎はもっと多い。そこで作者はこの小説でもっぱら後者、とりわけ彼の妻アン・ハサウェイについての誤解を払拭しつつ、全く新しい女性像を力強い想像力を駆使して再創造

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第404回○上司の還暦を祝うスピーチ吉田部長本日はおめでとうございます。実はわたくし甚だ教養に乏しい男でありまして、還暦とはいったいどういうことであるかくわしく知りませんでした。そこで昨夜こっそ

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照る日曇る日第1690回NHKの「その時歴史は」などで鋭いツッコミをみせて注目されながら、前代未聞の恥ずべきセクハラ事件でこの業界からパージされた若手中世史研究者による新書本である。鎌倉幕府の基礎を立ち上げた頼朝と、その存在を確固たる姿形に

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照る日曇る日第1689回1972年11月8日、早稲田大学文学部のノン・セクト学生、川口大三郎君は、革マルの集団リンチによって撲殺された。本書はその暴挙に衝撃を受け、革マルの暴力による恐怖支配に対して「非武装言論闘争」だけで立ち向かった著者に

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○取引先の社長の還暦を祝うスピーチ茂原社長、本日は還暦を迎えられましておめでとうございます。*1茂原さんが会社を設立されたのがちょうど30年前。本日は、会社創立30年、社長生誕60年のおめでたさ二乗の日でございます。ひとくちに30年、60年と申します

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蝶人物見遊山記第338回7&鎌倉ちょっと不思議な物語第424回毎年この季節になると、この小さな建物の中でささやなひと時を過ごすことにしている。そこは喧噪の小町通りから一筋入った横丁に隠れるように建っていて、昔は鏑木画伯の邸宅であったところだ

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照る日曇る日第1688回12匹のネコちゃんがお弁当持って楽しい遠足に出かけます。ラララ、ウララ、楽しいな。でも、何だか変。だってこの本裏表紙から始まってるんだもん。しかも「本文中の♪の付いているところでは、♪いとまきまきの節で「らんらん ねこ

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照る日曇る日第1687回「いちわのからすがかあーかあー」で始まって「「にーわの「にわとりこけこっこー!」と語呂合わせで三の魚、四のしらがのおじーさんと色々登場するのも面白いが、全員揃ったのが一度全員退場して、また全員出てくるのがシュールでポ

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第402回○ 古希のお祝いでの本人のあいさつ皆さん、本日はお忙しいところをかくも大勢の方がご参集賜りまして、ありがたく厚くお礼申し上げます。*1いまや人生100年時代。かつて中国の詩人杜甫さんが「人

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照る日曇る日第1686回へりくつ作家が自問自答する奇妙奇天烈なシリーズだが、なかなか面白い。今回は未来に対して悲観的な大人たちに対する壮大な反論絵本である。台所でお母さんがムスメに「たまごがあるんだけど、めだまやきとゆでたまご、どっちがいい

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照る日曇る日第1685回政府自民党の筑波大学構想の陰で、なんと廃学の憂き目に遭った作者による、半世紀前の大学闘争の手記的小説である。本書を読んで知ったのは、まず作者は、あの有名な幕末の志士ではなく、篤実な代々木系の一活動家であること、教育大

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音楽千夜一夜第489回こないだ朝日新聞の音楽欄の年間総評を読んでいたら、吉田なんとかという担当者が、邦人新人やが指揮するN響の演奏を高く評価しており、なかんずく老大家ブロムシュテットの凡演「運命」を神品の如く絶賛していたので、いったい何を聴

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照る日曇る日第1684回こないだ正岡子規の短歌をまとめて読んでみたら、それこそ想定外に詰まらなかったので、正直にそういう感想を述べたら、ある人から「あんさん、松山に行ったら気をつけよなはれ」と警告されたのだけれど、コロナだし、カネも無いし、

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2709〜191)デヴィッド・クローネンバーグ監督の「危険なメソッド」フロイト、ユング、ザビーナ・シュピールラインを巡る愛と精神分析学の興味深い物語を2011年に映画化。2)ジョエル・シュマッカー監督の「評決の

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照る日曇る日第1683回父井上光晴と瀬戸内晴美(のちに寂聴)の不倫話を、なんと井上の娘が細大漏らさず記述するという破天荒な私小説的小説であるが、なんとなくこの三角関係も、その当事者も、それらを描いた小説も、そのすべてが寂聴という妖怪坊主のよ

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照る日曇る日第1682回踊り子の絵で知られる画家ドガと親交を結んだヴァレリー選手が、彼独自の絵画、ダンス論に加え、比類ない絵描きドガ選手についての思い出を書き記したいわゆる一つの哲学的コラムである。デッサンとは何か?というヴァレリーの問いに

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西暦2021年文月蝶人酔生夢死幾百夜突然右の耳が痛くなってきたので、どうしようかと迷ったが、「そうだ、おらっちはいまさっきイモカワ耳鼻科から出てきたばっかりだった」と思い出したので、急遽引き返そうとしたが、「まてよ、この痛みは夢の中の痛みで

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照る日曇る日第1681回これは去年の7月に出されたほとんど手作りの薄型雑誌?だが、面白いのは鎌倉に在住する絵本作家たち(飯野和好、石川えりこ。ささめやゆき、中川ひろたか、長野ヒデ子)が自主編集して、各人がそれぞれ好きなことを勝手に書いている

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照る日曇る日第1680回特殊詩人部落の専門誌がなんと図書館にあると知ったので、取り寄せてパラパラ読んでいる。知っている人の作品が出る時を除いて中身はおおかた詰まらないが、本号は巻頭で「ミャンマー詩は抵抗する」という特集を組んでいるのはえらい

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闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2699〜27081)ウィリアム・フリードキン監督の「エクソシスト」1973年のホラー映画。かくて恐ろしい悪霊は別の神父に乗り移ったのであーる。しかし今でも悪霊が実在し、悪魔祓いが行われているのだろうか?2)ルキ

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照る日曇る日第1679回おばあさんの毛糸だまがおばあさんの留守中に寂しくなって、ひとりでに転がり出して町のあちこちをさまよいながらおばあさんと出会って、おばあさんは毛糸玉をくるくる巻き戻しながらおうちに戻って、毛糸玉で帽子にあんで、「そーら

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照る日曇る日第1678回琵琶湖とその周縁に住む人々が登場する推理小説だが、いきなり当時の琵琶湖ホテルが出てきたので驚いた。今から半世紀以上も昔の大昔、私の祖父はこのホテルで行われた聖書贈呈式の挨拶の途中、「主イエス・キリストは」と言ったとこ

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照る日曇る日第1677回貧乏人の子沢山の家から富貴な親戚宅に引き取られて美しく育ったヒロイン、ファニー。優しい従兄エドマンドを愛する内気で性格の良い彼女に一目惚れした軽薄な金持ち男のヘンリー・クローフォドがガンガン攻勢をかけるが、果たしてこ

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「西暦2021年水無月蝶人酔生夢死幾百夜公社の男女の社員がまるで仕事をするように生真面目に乱交している姿を、私は唖然として見つめていた。6/1 青山トンネルを出ると、星条旗通りだった。夜の底がお星様だらけになった。「ササキさあん!」という呼び

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照る日曇る日第1676回この本には、大逆事件で絞首刑に処された管野須賀子と古河力作を扱った「遠い声」と「いってまいります さようなら」の2作が収納されているのよ。いずれも主語のわたしが即ち当該人物そのもの、になっていて、特に前作では水を得た

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蝶人物見遊山記 第337回逗子文化プラザのなぎさホールで音楽や能を鑑賞したことはあるが、少し小さめのさざなみホールがあり、そこで仲本拡史さんがプロデュースされている実験映画祭が3日間にわたって開催されているとは知りませんでした。私が出かけた

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西暦2021年皐月蝶人酔生夢死幾百夜その老人にはさんざん感染防止の注射をしたのだが、どこのワクチンをどれだけ注射しても効きめがないので、しばらく放置していたら急激に健康を取り戻した。5/1あの家は無人のはずだが、夜になると電気がつく。この頃誰

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蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第401回選挙は政策ではなく、情緒で決まる。情緒を象徴するのは、党首の「顔=表紙」である。自民の表紙は紳士風、維新と国民は坊っちゃん風、立憲と共産は説教坊主風。なんだ、結局は「表紙」の問題だった

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ある晴れた日に第664回なにゆえに野党共闘敗れたか阿呆馬鹿民草が選ばんかったなにゆえに維新国民を持ちあげる腐れ野党に未来はないぞなにゆえにパンツの紐が緩んでいるパンツが悪いか紐が悪いかなにゆえに世界は悪くなっていくこの国だって例外ではないな

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