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2025年03月21日18:15

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山下裕賀メゾソプラノリサイタル��

3/20(木)、アクトシティ浜松の音楽工房ホールで開かれたメゾソプラノ山下裕賀(ひろか)のリサイタルを聴く。

フォト

「アクト・ニューアーティストシリーズ」のNo.147、今年度の最後を飾った。

山下裕賀は2023年10〜11月に行われた第9回静岡国際オペラコンクールで三浦環特別賞を受賞した。
その本選の模様は以下にレポートしている。
本選には6人が出場したが、女性は山下1人だった。
彼女のオペラの人物表現力に大変感動した事を今も記憶している。
・「第9回静岡国際オペラコンクール〜本選」(2023.11.6記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986290614&owner_id=3341406

上のレポートではプロフィールに触れていないので、ここで簡単に紹介しておこうと思う。
1992年京都生まれ。
東京藝大大学院修士課程オペラ専攻を首席終了。博士課程も取得。
2023年、日本音楽コンクール声楽部門第1位及び聴衆賞受賞。同年、上記静岡国際オペラコンクールで三浦環特別賞。
先立つ2019年には日生劇場オペラ《ヘンゼルとグレーテル》でヘンゼル、2021年同《カプレーティとモンテッキ》でロメーオ、翌年同《セビリアの理髪師》でロジーナ。
コンクール後、2024年、藤原歌劇団創立90周年記念公演《ラ・チェネレントラ》でタイトルロールを演じた。
コンサートでも様々大曲でソリストを務めている。

今年2025年8月には新国立劇場の細川俊夫委嘱作、世界初演《ナターシャ》(台本 多和田葉子/指揮 大野和士)でアラト、同年11月には日生劇場の《サンドリヨン》でシャルマン王子を演ずる事になっている。
目を見張る活躍である。
付け足せば、今年の「ニューイヤー・オペラコンサート」は、冒頭の合唱のあと、山下と宮里直樹の《カルメン》〜セギディーリャ〈セビリアのとりでの近くに〉のデュオで始まったのだった。

今回のリサイタル、ピアノは丸山滋、プログラムは以下の通り。
丸山は藝大時代ピアノの師であった由。

高田三郎《市の花屋》
團伊玖磨《三つの小唄》
 〜〈春の鳥〉〈石竹〉〈彼岸花〉

ブラームス〈ことづて〉Op.47-1,〈私の愛は緑〉Op.63-5
ブラームス《ジプシーの歌》Op.103
 〜〈さあジプシーたち、弦をかきならせ〉〈高く波立つリマ川の流れ〉〈君たちは知っているだろうか〉〈神様、あなたはご存知でしょう〉〈日に焼けた少年が〉〈列になった3つのバラが〉〈時折思い出すだろうか〉〈真っ赤な夕焼雲が〉

 休憩

オブラドルス《エル・ビート》
ロドリゴ《母さん、ポプラの林に行ったよ》
ファリャ《7つのスペイン民謡》
 〜〈ムーア人の織物〉〈ムルシア地方のセギディーリャ〉〈アストゥリアーナ〉〈ホタ〉〈ナナ〉〈歌〉〈ポロ〉

モンポウ《庭の乙女たち》
 …ピアノ独奏

ビゼー《カルメン》より〈ジプシーの歌(シャンソン・ボエーム)〉

日本語歌曲、ドイツ語歌曲及び民謡、スペイン語歌曲及び民謡、フランス語オペラアリア、と多彩な内容を盛り込んだ。
プログラム解説も山下自身で書いているようだった。また、歌詞/対訳も別プリントで用意してくれて、細かな気遣いを見せていた。

團伊玖磨(1924-2001)の《三つの小唄》は作詞 北原白秋。
内〈彼岸花〉は「憎い男の心臓を針で突かうとした女」という一節が恐ろしい。「どうせ、湿地の彼岸花、蛇がからめば身は細る」と続く。
三味線を伴奏にした小唄を想定していて、ピアノにも三味線を想わせる音がある。これを西洋の伝統的歌唱法で歌うのはなかなか難しい。

ブラームス(1833-97)のOp.47《5つの歌曲》から第1曲〈ことづて〉。(〈便り〉としている例も。)
ピアノのアルペッジョによる3連符伴奏は「吹け、そよ風よ、穏やかに優しく」を導く。1868年35歳での作曲、詞はG・F・ダウマー。
次はOp.63《9つの歌曲》中の〈青春の歌1〉に含まれ、やはり恋の歌。詞はシューマンの末息子フェーリクス・シューマンだとの事。肺結核で24歳で亡くなった。
この歌曲を書いた1873年、ブラームス40歳、フェーリクス19歳。
どちらもブラームスはまだ若々しさを残し、恋にも正直だ。
山下の歌唱は素直で朗々として心地好い。

同じ作曲家による《ジプシーの歌》。1887年、54歳の作曲。
詞はH・コンラートがハンガリー民謡を基にドイツ語訳したもの。ブラームスは11曲からなる混声四部合唱曲として書き上げ、のち自身で8曲の独唱曲に編曲。
内容は、恋、歌や踊り、自然の景観、生活など、深刻でない軽めのもの。ジプシー達の陽気な性格や暮らしぶりが想像される。

山下はブラームスの歌曲が好きで、大学時代から取り組んできたそうだ。
彼女の歌いっぷりは明るく自信に満ちている。


「続く」
 
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