mixiユーザー(id:3341406)

2024年09月20日12:00

66 view

「日本現代美術私観〜高橋龍太郎コレクション」/東京都現代美術館��

上京2日目、9/15(日)は清澄白河の東京都現代美術館へ行った。
現在、「日本現代美術私観〜高橋龍太郎コレクション」を開催中。
・会期 8/3〜11/10

◆高橋龍太郎プロフィール
   フォト
高橋龍太郎(1946- )は日本の現代美術に特化したコレクターで、本職は精神科医。1990年、東京蒲田にタカハシクリニックを開設、院長を務める。地域精神医療の他、TV等でビジネスマンのメンタルヘルスケアにも注力する。
2020年、現代アートへの貢献に対し文化庁長官表彰。

◆高橋龍太郎コレクションとは
高橋龍太郎コレクションは、元々、彼のクリニックの待合室に飾る絵を探したところからスタートした。
2018年に私は静岡県美術館で「アートのなぞなぞ〜高橋コレクション展」を観ている。
〈参〉https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1964641675&owner_id=3341406
その時、所蔵品は2,500点となっていたが、現在は3,500点を超えるとの事。
コレクションの対象は全て日本の現代美術。現代美術作家にとってなくてはならない特別のコレクターと言っていいだろう。

上記のようにアートとの関係をスタートした高橋は、画廊探訪の面白さに目覚め、草間彌生他の(終戦後の)小品を集め始めた。
1997年からは、会田誠らの新作を求めるようになり、奈良美智,村上隆,山口晃,鴻池朋子,加藤泉,宮永愛子,名和晃平,Chim↑Pom等の作品が次々加わっていった。
1990年代は、バブル崩壊で金持ちがアートから手を引いていった時代である。「失われた30年」とも重なっている。2011には東日本大震災で未曽有の被害を受け、いつ解決するとも分からぬ原発事故という経験もする。自ずから、作家も作品も変容(成熟)を遂げた。

現在もコレクションは膨らみ続け、国内外の様々な美術館がコレクション展開催を希望する迄になった。初期コレクションの対象作家らは、その後の国際的活躍により、名前も知られるようになっていった。
作品は、各地の展覧会への貸しだし要望が毎年100点を超えるようになった由。

本展も、まず来館者数が私の予想を遥かに超え、驚かされた。
現代美術の認知向上に、高橋の活動の果たした意義は極めて大きい。

◆本展の特徴
上記含む115組の日本現代美術を代表する作家達の主要作品230点超が集結、2フロアが埋め尽くされている。現代美術でこの規模は、他に類を見ない。
東京都現代美術館(MOT)は1995年に開館したので、高橋コレクションはMOTと「双子のような関係にある」。(本展担当学芸員 藪前知子)
MOTの30年に及ぶ現代アート史展開に対し、「現代美術私観」というタイトルは、両者のこうしたこうした関係をサジェストしている。

◆本展の構成
1.「胎内記憶」
2.「戦後の終わりとはじまり」
3.「新しい人類たち」
4.「崩壊と再生」
5.「「私」の再定義」
6.「路上に還る」

◆1.「胎内記憶」
高橋龍太郎は敗戦の翌年1946年に生まれた。
展覧会の冒頭は1947年の久保守の作品。続く、草間彌生や赤瀬川源平、合田佐和子、横尾忠則らは、コレクター以前の高橋が、その青年期に身体に知らぬ間に取り込んだ作品である。
ここでは、アングラ演劇や文学、映画、写真、パフォーマンス、サブカルチャー等が渾然一体となっている。

・合田佐和子(1940-2016)《ルー・リード》(1977)
写真を基にした欧米スターのポートレイトの油画。耽美的で退廃的、死の匂いがする。
フォト

草間や横尾(次の章では村上隆や会田誠)の作品については、これ迄に幾度もレポートしているので省略する。なるべく知られていない作品を、ここではピックアップしたいと思っている。

◆2.「戦後の終わりとはじまり」
1990年代は、バブル経済の破綻、阪神淡路大震災、オウム真理教事件等、社会を揺るがす様々な事件が起こった。日本の「戦後」が終わり、現在迄も続く低成長の時代が始まった時期でもある。
村上隆や会田誠ら、のちに世界へ羽ばたくアーティストがこの時期にデビュー。彼らの作品には日本文化や社会に対する批判精神が濃厚で、高橋はこれらを「若い世代の叫び」と表現した。カウンターカルチャー的なエネルギーは、メディアも取りこみ、路上パフォーマンス的な発展も遂げた。

・ヤノベケンジ(1965- )《イエロー・スーツ》(1991)
美浜原発事故直後の制作。放射能防護服と植物光合成による酸素発生装置をモチーフに、サヴァイバルをテーマとした。
フォト

・天明屋尚(てんみょうやひさし/1966- )《ネオ千手観音》3連図(2002-03)
天明屋は、日本の伝統的な絵画を現代に転生させる「ネオ日本画」を生みだした。敢て古めかしているから分かりにくいが、千手観音と両脇侍(金剛力士)が手にしているのは機関銃である。これを制作したのはアメリカ同時多発テロの翌年。
左図
フォト

中央図
フォト

右図
フォト

・西尾康之(1967- )《Clash セイラ・マス》(2005)
奥に写りこんでいる人物により、6mを超えるサイズ感が分かるだろう。
セイラ・マスは『機動戦士ガンダム』で男性を鼓舞する女性登場人物らしい。ヒロイズムに対する批判、戦闘に駆り出される者の脅迫的心理が彼女の表情に表わされている。
床に敷かれた鏡により、彼女の胎内が見える。
フォト

フォト

〈参〉「高橋龍太郎コレクションとは」の文中リンクで、西尾の1997年作品《素粒の鎧》の画像を見る事ができる。


(続く)
 
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年09月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930