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2024年02月24日22:36

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映画日記『コット、はじまりの夏』

2024年2月24日(土)

『コット、はじまりの夏』(2024年)
監督:コルム・バレード
伏見・ミリオン座

家では味噌っかす、学校へ行っても覚えが遅いのか教科書に載った小説をちゃんと朗読できず肩身の狭いおもいをし、無口のせいか上級生からは「ヘンな子」と蔑まされる。
そんな少女コットが、夏休みのあいだ母親方の親戚夫婦に預けられた。
親戚の家は農家、妻のアイリンはコットに優しく声をかけてくれたが、夫のショーンは目も合わせてくれない。
ぎこちない出会いに、ここでもひとりぼっちなのかと心沈むコットは、その夜、いつものようにおねしょをしてしまい・・・・

無口で孤独だった少女コットが少しずつ生きる喜びを手にしていく。
ひとことで言えば、ひとりの少女の成長譚。
彼女の成長をうながす、アイリンとショーンのこまやかな情愛が見どころ。
丹念にコットの髪を梳いてあげるアイリン、さりげなくショーンがテーブルにおいたマカロン。
ふたりの情愛に、少しずつこたえていくコットを、すがすがしい田園風景をバックにカメラが捉えていく。
郵便受けまで懸命に走るコット、月夜の水辺でショーンとコットが語りあうシーン、ひとつひとつのシーンが濃密だ。
コットとアイリンとショーンを演じた3人のアンサンブルが見事。
突然あらわれたコットに、どう接していいのか分からず、無視を決め込むショーン役の男優さんがうまい。
やがて、生きる喜びを手にしたのがコットひとりでないことが分かってくる。
押し寄せる切なさに、肩をふるわせながらラストシーンを見ることになった。
傑作。
そして、コットを演じたキャサリン・クリンチの名前は、覚えておこう!!


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